皆さん今晩は。ウェールズ歴史研究家を名乗る、たなかあきらです。
僕は、この詩を読んだときに、
「はっ」
と思いました。
一天を流星が
十字に斬り裂くとき
ブリタニアを至大の脅威が見舞う
それは古より定められし試練にして
光の導き手と
黒き血脈の
聖戦の始まりの兆しとならん
漫画「七つの大罪」、2巻の第16話で描かれた、始まりの詩です。
この詩を読んだとき、僕は「はっ」と思ったんです。
どこかで聞いたことのある内容だと思いました。なんだか有名な人物がかかわっていた気がします。
えっと、そうだ! 漫画「七つの大罪」はアーサー王物語の影響を受けているんだった!
そうです。アーサー王物語に登場する、マーリン(Merlin)が夜空にきらめく流れ星を見た時の事でした。
「驚くほど巨大で明るいひとつの星が現れ、ひときわ煌めく一条の光を発していた。しかし、その先の先端には竜の姿に似た火の玉を撒き散らし、例の星は三度現れると、それを見た人びとは皆が恐怖と驚愕にうち振るえた」と書かれています。
一天を流星が
十字に斬り裂くとき
・・・彼は・・・あの星を意味することを、説明するように命じられました。
・・・彼は突然泣きだし・・・こう予言したのです。
「おおブリタニアの孤高な人びとよ! われわれのいと名高い王がいかれたとは!
ブリトン人の高名な王アウレリオス・アンブロシウスが亡くなられた。王の死によって、もし主なる神がお助けてくださらなければ、われわれは皆滅びさるであろう」
ブリタニアを至大の脅威が見舞う
それは古より定められし試練にして
「それゆえに、いと名高き指揮官ウーテルよ、急ぐのだ。大急ぎで進軍して一刻の猶予もなく敵と戦い給え! そうすれば、勝利は貴方の掌中に握られ、貴方はブリタニア島の王となろう。なぜなら、あの星は貴方本人を予告しており、星の下の火の竜もまた同じことを予告しています」
光の導き手と
「しかし、ガリアの地方へ長く伸びる光は貴方の未来の息子を予告し、彼の支配はあの光が覆うすべての王国に及ぶほど実に強大な権力を持つ者となるでしょう。第二の光は、貴方の娘を予告し、彼女の息子たちや孫たちは世々代々にわたり、ブリタニア王国を継承するでしょう」
黒き血脈の
聖戦の始まりの兆しとならん
※アーサー王物語の発祥となる歴史書「ブリタニア列王史」より
※アウレリオス・アンブロシウス:アーサー王の叔父。王の中の王。
※ウーテル:アーサー王の父。ウーテル・ペンドラゴン。
すごい! 「七つの大罪」の始まりの詩と、マーリンの予言はとても似てますね!
漫画「七つの大罪」とアーサー王物語との関係は、とっても奥が深く、すごく興味がわいてきます。漫画の「黒き血脈の聖戦」をじっくりと楽しんでいきたいです。
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最後まで読んでくださり有難うございました。
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