円卓の騎士の1人ガレス卿(Sir Gareth)はアーサー王の甥にあたり、オークニーのロット王とモルゴースの息子です。
兄弟には、同じ円卓の騎士、ガウェイン卿、ガヘリス卿、アグラヴェイン卿、さらにモルゴースと異父弟にモルドレッド卿がいます。
アーサー王物語に描かれているガレス卿とはどのような人物なのでしょうか?
ガレス卿の人物像、愛される理由、ガレスの結末などを分かりやすく纏めました。
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争いを嫌う美しいと優男(やさおとこ)
ガレスはガウェインの末弟で、ガウェインだけでなくランスロットからとても愛されました。しかし、ランスロットに不慮に殺されてからガウェインとランスロットの関係は悪化して、アーサー王とランスロットの戦いにつながりました。
ガレスは争いを嫌う優男でした。
勇敢な優男
当初、ガレスは兄たちと同様、騎士になることを願いアーサー王の宮廷にいきました。
しかし、騎士になるどころかガレスはケイ卿に調理場で働かされました。
ガレスは家事をしたことも無く白い手をしていたので、
ケイ卿はガレスのことをボーマン(Beaumains、美しい手)と呼んで、からかいました。
Lady Lynetteがキャメロットを訪れ、Castle Perilousにいる姉Lady Lyonesseを包囲しているSir Ironside the Red Knightと戦ってくれないか、と懇願しました。
そこで、ガレスは手を上げました。
ケイから妨害を受けましたが一撃を食らわし、ランスロットに騎士にしてもらいました。しかし、調理場で働く優男のガレスが来たので終始不平を言っていました。
ところが、ガレスは強く敵Sir Ironsideを倒したばかりでなく、彼の兄弟たちも全てやっつけました。こうして、ガレスとLady Lyonesseは結婚しました。
ガレスはアーサー王がローマ皇帝と戦った時も、トスカニーの王を殺害するなど、活躍しました。
敬愛されるべき男と言われる理由
ガレスは兄弟たちの中で、もっとも立派で称賛される人物です。
・ガヘリスがショック状態で、母モルゴースを殺したとき、ガウェインとアグラヴァインがガヘリスを殺そうとするのを止めた
※モルゴースは、夫ロット王を殺したペリノア王の息子ラモラックと不倫し、現場をガヘリスに目撃された
(ペリノア王はガウェインに復讐され殺された)
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母モルゴース
父ロット王
アーサー王の義兄 「オークニーのロット王」はどんな人物なのか?
・グィネヴィアとランスロットの不倫を暴こうとするアグラヴァインとモルドレッドを止めさせようと嘆願した。
兄弟たちは殺りくや他人の陥れを行っていますが、ガレスは全く参加せず、むしろ止めたり嘆いたりしています。
ガレスの死が円卓の騎士の崩壊につながった経緯
ランスロット卿をねたむモルドレッドとアグラヴェインからは、王妃グィネヴィアとランスロットの不倫を暴露し、ランスロットを失脚させる計画を、ガウェイン、ガヘリス、ガレスの兄弟に持ちかけます。
ガレスたちは拒否しますが、2人を止めることが出来ませんでした。グィネヴィアとの不倫現場を目撃されたランスロットはアグラヴェイン、ガウェインの息子であるフローレンス卿やガングラン卿らを殺害します。
不倫が発覚したため、グィネヴィアはアーサー王の命で火刑に処されることなります。そこに居合わせたガレスとガヘレスは、王妃を救出に来たランスロットに殺されてしまいます。
ランスロットはガレスを愛していたため、居合わせたのがガレスとは知らず過失で殺してしまったことに後悔しました。
一方、ガレスを自分の息子以上に可愛がっていたガウェイン卿は激怒し、反ランスロット派に転向し、アーサー王がランスロットとの和平に反対し、戦争へと導きます。
こうしてアーサー王とランスロットはフランスで戦い(ガウェインもランスロットと一騎打ちで戦う)、円卓の騎士は崩壊していきました。
最後に
このように、ガレス卿は、勇敢ですが争いを嫌い、心優しくランスロット卿や兄ガウェインからとても愛されました。
ガレスの訴えを皆が聞けば、アーサー王や円卓の騎士はもっと長く続いたのかもしれません。
👉ガレス卿の兄弟たち
・円卓の騎士アグラヴェイン卿 モルドレッドと共に悪役となったガウェインの兄弟
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