アーサー王の有名な戦いの一つに、「ベイドン山の戦い」があります。
アーサー王とサクソン軍の戦いと言われ、12の戦いが行われアーサー王が勝利した、と歴史書れています。
しかし、戦いの場所や戦いの様子は、よく分かっていません。
歴史偽書「ブリタニア列王史」にはベイドン山の一連の戦いと考えられる、幾つかの戦いの記述があります。
今回は、これらの戦いを簡潔にまとめました。
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歴史書に書かれた「ベイドン山の戦い」
「ブリトン人の没落」
6世紀にイギリスにいたキリスト教司祭ギルダスが書いたとされる「ブリトン人の没落」と言われています。しかしアーサー王という名前は直接は出ておらず、アングロサクソン人と戦ったケルト人指揮官がいたことが、記述されています。
「ブリトン人の歴史」
9世紀にネンニウスによって書かれた『ブリトン人の歴史』(828年頃)では、アーサー王に関する具体的な記述がある初めての歴史書です。
アーサー王は単なる軍の指揮官または戦士として登場し、12の会戦が記録されており、一人で960人のサクソン敵兵を倒したと記述があります。この戦いが「ベイドン山の戦い」と考えられています。
「カンブリア年代記」
11世紀に書かれた『カンブリア年代記』では、ベイドン山の戦いは516~518年とされています。アーサーは三日三晩の間十字架を両肩で担ぎ、ブリトン人が516~518年の戦いに勝利(おそらくアングロサクソン族との戦い)したとされています。
歴史書に書かれた内容の参考記事:
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ブリタニア列王史に描かれた「ベイドン山の戦い」
アーサー王とサクソン軍との一連の戦いで、アーサー王が勝利したと言われています。
ジョフェリー・オブ・モンマスによって1136年に書かれた「ブリタニア列王史」では、アーサー王とサクソン軍の一連の戦いと読み取れるものが、6つあります。
それらの戦いについて紹介いたします。
①ドゥグラス河畔の戦い
アルトゥールス(アーサー王)とコルグリヌス(サクソン人指揮官)の戦いで、サクソン人はスコット人、ピクト人の連合軍を作りました。
アルトゥールスが勝利をおさめ、コルグリヌスが逃げ込んだエボラクムの街を包囲しました。(エボラコム:現在はイングランドのヨーク)
②エボラクム郊外の戦い
敗れたコリグリヌスの援軍にかけつけた、弟パルドゥルフス(6000人)と、アルテゥース軍のコロヌビア公カドル(3600人)の戦いです。
兵力で劣るカドル軍は、エボラコム郊外待ち伏せ奇襲攻撃を仕掛けました。
サクソン人たちは惨殺され、生き残った者は逃亡しました。
③リンドコリヌムの戦い
リンドコリヌムは現在ではイングランドのリンカンシャー州のリンカンのことで、リンディセイエンシス地方にある二つの川に囲まれた山の上で戦いが起きました。
(リンカンシャー州の北部)
アルトゥールス軍は勝利し、一日だけでもサクソン人たちは6000人も戦死しました。
サクソン軍は茫然となり、戦意喪失し逃亡しました。
④コリドンの森の戦い
逃亡したサクソン軍はコリドンの森に逃げ込み抗戦しました。
アルトゥールスは森を伐採し、包囲して兵糧攻めを行いました。これに窮したサクソン軍は、金銀の放置、貢物などを前提にゲルマニアへの帰国を願い出ました。、アルトゥールスはこれを認めました。
※リンカンシャー州のケリンドンの森など諸説あります
⑤ベイドン山の戦い
しかしサクソン軍は、帰路の途中に協定を結んだことを後悔し、ブリタニアに引き返しました。イングランドの南部にあるトトネシウム(現在のデヴォン)に上陸し、略奪を開始し、多くのブリトン人を殺りくしました。
サクソン軍はバドン(現在のバース)に向かい、近くのスメルセテンティス地方(現在のダンバートン)で包囲を行いました。
アルトゥースは カブリヌス(剣:エクスカリバー)とロン(丸い盾)を持ち、アルトゥース軍は、サクソン軍に攻撃を仕掛けました。
しかし、サクソン軍の猛攻にあり苦戦を強いられ、一進一退となりました。
・サクソン人に総攻撃
・サクソン人は抵抗し山を占拠
・山からサクソン人は猛攻撃
戦況に逆上したアルトゥースはカリブルヌスを抜いて、サクソン軍にもう突進し470人を倒しました。
サクソン人兄弟(コルグリヌスとバルドゥルフス)と、数千人ものサクソン兵は戦死しました。
⑥タネット島の戦い
不利と見たケルドリクスは逃亡しましたが、カドル公は1万の軍勢を率いて追跡し船団に突進しました。
タネット島(イングランドのケント州北部の島)でケルドリクスを殺害し、残党はすべて降伏しました。
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