こんにちは、たなかあきらです。
今回は代表的なスタウトビールで、世界中で愛飲されているギネスビールの歴史と発祥についてお話いたします。
👉おすすめ記事
・中世ヨーロッパのビールの歴史 粗末で不評の飲み物だった?
・中世のヨーロッパの飲み物 ちょっと変わったビールからワインまで
・中世ヨーロッパ ワインの歴史
大好きなギネスビール
黒ビールの代表格で、深い深いコクときめ細かいクリーミーな泡をタップリと味わえるのが「ギネスビール」。僕が愛してやまないビールです。
その真っ黒な色合いは、黒くなるまで大麦をローストした製法によるもので、ビールの分類としては「スタウト」と呼ばれるビールで、アイルランドやイギリスを中心に製造されています。苦みと酸味が強い濃厚な味わいで、苦手な人もいるようですが、僕はその味わいが大好きです。
その中でギネスと言えば、アイルランドのダブリンで製造させているビール、というのが誰もがご存知の内容です。何と、今や世界150ヵ国で毎日1000万パイントのギネスビールが飲まれているそうです。
ギネスビールはアーサー・ギネスさんが1759年からアイルランド、ダブリンの聖ジェームズ・ゲート醸造所で製造されたのが始まりさ。ギネスの名前は人の名前だったんだよ。
有難う、ギネスさん。あなたのお陰で、僕は美味しいギネスビールを頂くことが出来ます。世の中にギネスがあってよかった、と思います。
ギネスさんがギネスビールを発明したんだよね。感謝、感謝と思っていたら、実はそうではない説もあるようです。
ギネスはじゃあ誰が考案したの?えっ、ウェールズ人によってギネスは作られたって? 本当? じゃあその話を教えてよ。
ギネスビールの歴史
ロンドン・ポーターがギネスビールの原型
ギネスビールが生まれた18世紀頃の話から始めよう。18世紀のイギリスではエールが主に飲まれていたけれど、「ポーター」と呼ばれるビールが誕生し、ロンドンではとても人気になったんだ。(文書では1721年にポーターは初めて登場)
このポーターは、6~18か月の間、大樽の中で熟成されて大量生産することが出来るようになった最初のビールなんだ。
これまでのビールより安くて直ぐに飲めるので、港の荷物運びの労働者の間でとても人気になったんだ。運び屋の事をポーターと呼んだので、ビールにもその名が付いた、とも言われているんだ。
ポーターってどんな味のビールなんですか。
麦芽を焙煎して茶色くなるまで焦がして作り、麦芽の良い香りとホップの苦みが特徴なんだよ。つまり、このポータービールがギネスビールの原型になるんだ。
18世紀~19世紀半ばにかけてポータービールは爆発的な人気となり、ロンドンや地方の醸造所もポータービールの製造販売に力を入れたんだ。
特にロンドンで作られたポーターは「ロンドン・ポーター」と呼ばれて各地に出回ったそうだよ。
へえ~。ポータービールも飲んでみたくなりますね。
London Porter; Capturing the Beauty of Pre-Victorian London – Fuller’s
このロンドンポーターはアイルランドにも広がるんだ。
そして、広がったビールがギネスビールになるんですね。
一言でいうとそうかも知れないけど、実はウェールズがキーを握っているらしいんだ。
ウェールズのブラック・ワインがギネスのレシピ?
ギネス社を作った、アーサー・ギネス
当時、アイルランドからロンドンに行き来するとき、ダブリンから海を渡って北ウェールズに着き、ウェールズを横断するルートを通っていたようだ。
だからロンドンのポーターもウェールズを通って、アイルランドに運ばれていたんだよ。また、ロンドンから近いウェールズでもポーターが作られていたと考えられるんだ。
ここで登場するのがアーサー・プリンスという人物だ。アーサー・プリンスはウェールズ人で、ギネスビールのオリジナルとなるレシピを手にして、アイルランドに渡ったそうだ。
アーサーはアイルランドで、リチャード・ギネスという人物を召使に雇い、レシピの内容を教えたらしい。そしてリチャード・ギネスの息子、アーサー・ギネスが1759年にダブリンの聖ジェームズ・ゲート醸造所でビール製造を始め、1778年に黒ポータービール(スタウトビール)の販売をはじめたんだ。
こんな別の説もあるんだ。アーサー・ギネスはポータービールを学ぼうとロンドンに頻繁に訪れ、パブでポータービールを飲み歩いていたそうだ。
あるとき、ウェールズで地ビールを醸造しているパブに立ち寄ったそうだ。そこのレシピを手に入れて、ダブリンに持ち帰りギネスを作るようになったとか。
この二つの話には共通点があるんだ。
アーサー・プリンスもアーサー・ギネスも立ち寄ったのが、北ウェールズのLlanfairfechanという場所にあるパブで、飲んだのがGwyn duと呼ばれるオリジナルビールで、英語に訳すと「ブラックワイン」という名前だそうだ。
へえ。面白いですね。真っ黒のワイン。名前を聞くだけでも、強そうなビールって感じがしますね。どんなビールなんでしょう。ウェールズのビールにも興味がわきますね。
スタウトって何?
ウェールズにも数多くのビールがあるんだ。ウェールズのスタウトビールと言えば、ブレインズが好きだな。
【楽天市場】【ウェールズビール】ブレインズ ブラック440ml:びあマ
Our Beers | S.A. Brain & Co Ltd.
今、スタウトビール、って言いましたよね。確かギネスって、スタウトビールじゃないですか? ポーターとスタウトって何が違うのですか?
1677年に既にスタウトという言葉はビールに使われていたんだ。しかし、スタウトは「強いビール」の意味で、黒ビールのことではないんだよ。
ポータービールは当初6.6%のアルコール度数だったんだ。アルコール度数が7~8%のビールが作られるようになり、この強いビールのことを「スタウト・ポーター」と呼び、ポーターが取れて「スタウト」と呼ぶようになったそうだ。
スタウトの代表格であるギネスビールも、味は豊かで濃厚で、飲みごたえ抜群ですしね。ギネスが飲みたくなってきた!
日本で楽に買えるギネスビール
ドラフトギネス
繊細でクリーミーな泡を、家庭で楽しめるようにお手軽に再現したギネス缶ビール。スーパーなどでも購入可能です。多分、ギネスと言えば普段はこれを飲んでるんでしょうね。
ギネス・エクストラ・スタウト
これぞギネス、という昔ながらのギネスです。缶ビールより、やっぱり瓶ビールの方が美味しいですね。たまに、スーパーなどでも見かけることがあり、その時はどうしても飲みたくなってしまいますね。
ギネス・フォーリン・エクストラ
輸出用に作られたギネスで、アルコール度数は7.5%と通常のギネスより高めになっています。これも飲んでみたい。アマゾンでは取り扱いが無いようです。
👉おすすめ記事
・中世ヨーロッパのビールの歴史 粗末で不評の飲み物だった?
・中世のヨーロッパの飲み物 ちょっと変わったビールからワインまで
・中世ヨーロッパ ワインの歴史
参考:
Wales claims Guinness as its invention | UK news | The Guardian
BBC News | WALES | Welsh genius behind Ireland’s favourite
コメント