こんばんは、ウェールズ歴史研究家を名乗る、たなかあきらです。
映画キングアーサーを日本公開日に鑑賞してきましたので、その内容を記事にしました。多少ネタバレはあるかもしれないので、ご容赦ください。
新たなキングアーサーの始まり
「新作のキングアーサー、面白いのだろうか? がっかりなんだろうか?」
「何か違う点はありそうだけど、流れは想定できちゃうなあ」
僕はアーサー王に関する本、映画をかなり見たり、歴史を調べたりしてきました。ですので、新作のキングアーサーの予告編を見たとき、背景や人物関係などから、大方の映画の流れは想定出来てました。
※日本語公式サイト
これまでのアーサー王の映画と何か違う点?
確かに、ヴォーティガンという悪役が登場したり、魔術師が女性だったり、おっ違うなぁ、と思う面白そうなポイントは予告編で知っていました。その違う点も、歴史背景などから、だいたいは想像できていました。
それ以外の何か違う点、楽しませてくれる点が一つでもあればいいなあ、とあまり期待をせず、ブログの記事を書くためだけに観に行く、そんな状態でした。
本当に、予想していた通りの展開でした。一言でいうと、アーサーと悪王ヴォーティガンとの戦いです。どちらが、どうやって勝つのだろう、というストーリーがポイントです。単に娯楽映画というだけなら、楽しめるかもしれません。
しかし、このストーリーだけなら、数多くあるアーサー王の映画の中で、物足りない作品となってしまわないだろうか。ほかにもっと何か違う点が必要だ。僕は映画を観ながらそう感じました。
予告編の通り、アーサーは幼少のころから城ではなく、スラムで育てられます。しかし、突然アーサーに大変化が訪れました。
「岩に刺さった剣を抜いたから、いきなり真の王だといわれても・・・悪王ヴォーティガンを倒せと言われても、俺には何のことかわからない。ごめんだね」
「それより、スラムに返してくれ」
それはそうでしょ、僕でも同じことを言うでしょうね。
いきなり大会社の社長になるべく、悪事を働くの現社長を倒せと言われても、困る!
それより住み慣れた、ぺーぺーの一担当に戻してくれ。
人が行動を起こすには、目的と動機が必要です。アーサーにとっては、悪王と戦う目的や動機が何もありませんでした。アーサーは立ち上がる気は全くありませんでした。
しかし、アーサーには幼いころの悪夢が忍び寄ります。夜寝ていても、うなされて目が覚め、トラウマのようになっていきます。
「何だろう、俺に何が起こっていたのだろう。この悪夢を消し去りたい」
そんな時に、アーサーと共に戦っていこうという、魔術師メイジ、騎士ヴェディヴィアをはじめとする仲間たちが現れます。アーサーも仲間たちとの触れ合っていくことにより、徐々にアーサーが目覚めていくのです。
仲間たちと共に、悪夢の原因を知りヴォーティガンとの戦いに挑んでいくアーサーの心の変化、それがこの映画のポイントの一つではないかと思います。アーサー王が悪に立ち向かっていく戦いの場面だけでなく、これまであまりなかった、アーサーの人間的な内面も描かれた映画であると思います。
僕も次第にアーサーが仲間のように思えてきて、映画を観ながら心の中でアーサーを応援し、一緒に戦うようになっていました。
最後に
今回の映画キング・アーサーは、これまでとは一味も二味も違ったアーサー王が描かれていると思います。アーサー王伝説の歴史を振り返ってみても、ストーリーは時代と共に変化してきています。もはや従来のアーサー王ではなく、新たなアーサー王の伝説が生まれたのではないかと思います。
映画はいろんな楽しみ方があると思いますので、この新キング・アーサーも楽しんでいただければ、アーサー王ファンの僕にとっても嬉しく思います。
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最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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