(18.7.27更新)
こんにちは、たなかあきらです。
アーサー王物語の中では、アーサー王に次ぐ重要人物で物語の流れに大きな影響を与えているといっても過言でないのが、ランスロットです。
ランスロットは架空の人物ですが、生い立ちからどんな人生をたどったのでしょうか?
ランスロットの一生について分かりやすく纏めました。
最強の円卓の騎士、ランスロット
「アーサー王伝説に出てくる「円卓の騎士」で誰が思いつく?」
※円卓の騎士一覧:
「そうですね。ランスロットかな」
「湖の騎士、ランスロット。アーサー王の騎士の中で、最も信頼のおける最も強い騎士がランスロットなんだ」
「ランスロットはかっこいい!というイメージが僕には強いです」
「ところが、全てがそうでは、無いんだ。ランスロットは円卓の騎士やアーサー王を破滅に追い込む原因を作ってしまったんだよ」
ランスロットの生い立ち
「ランスロットはベンウィック(ブールジュやブルガンディーの説)のバン王とエラインの間に産まれた。バン王の死後、ランスロットは湖の乙女に育てられたんだ」
「だから、湖の騎士って言うんですね」
「その後、ランスロットはブリタニアに移り、武者修行をして現在のイングランド、ノーサンバランドにある、バンボロー城に住んだそうだ」
現在のバンボロー城
いい男ランスロット
「槍、剣術、乗馬、どれをとってもランスロットに勝るものはいない、と言われるほど優れた騎士だったんだよ」
「ランスロットはいい男であったことは間違いなさそうだな。多くの女性がランスロットに恋をしたんだよ」
「強い、かっこいい、僕も憧れるかもしれないな」
「ランスロットの女性関係をいくつか話そう」
ランスロットの女性関係
「一人目の話だ。ある時、馬上試合でランスロットは重傷を負った。倒れているランスロットを介抱したのが、ベルナルド卿の娘エレイン・ル・ブランクであった。エレインはランスロットに一目ぼれをしてしまい、献身的にランスロットに尽くすんだ。エレインはランスロットと一緒になりたかったのだけれど、ランスロットは拒絶するんだ。それに絶望して悲しみのあまりエレインは絶命してしまうんだ」
「次に二人目だ。現在のイングランドにあった国、エブラウク(Ebrauc)のペレス王にエレインという娘がいたんだ。このエレインもランスロットに恋をしてしまい、一緒になりたいと思ったんだ。そこで、自分が別の女性に見えるようにランスロットに魔法をかけたんだ」
「魔法をかけられたランスロットには、エレインが自分の好きな女性に見え喜び、一緒に夜を共にしてしまうんだ。しかし、魔法が解けたときに、自分が寝た女性がエレインであることがわかり、ランスロットは発狂してしまうんだよ。その時にできてしまった子供が、後に円卓の騎士として活躍するガラハッド卿という落ちなんだ」
「そんなプレーボーイのランスロットが好きな女性って誰ですか?」
「これが問題なんだ。アーサー王の王妃グウィネヴィアがランスロットに一目ぼれをしてしまいお互い恋仲になるんだ。これが円卓の騎士を乱していくことになるんだよ」
円卓の騎士の崩壊
「ランスロットはアーサー王への忠誠と、グウィネヴィアへの恋心に苦しみ、罪な関係の終わりと懺悔を約束したのの、ずるずると関係を続けてしまったんだ」
「徐々に、不倫してるんじゃないか?という噂が出始めて、ランスロットへの不信感が円卓の騎士たちに出てくるんだ」
「アーサー王は気がつかなかったのですか?」
「そうなんだ。アーサー王は気がついていなかったし、誠実なランスロットがそんなことをする訳がないと、アーサー王は信じなかったんだ」
「この不倫関係は、とうとう円卓の騎士アグラヴェインとモルドレッドに目撃されてしまい、アーサー王の知る所となってしまったんだ」
「ランスロットとグウィネヴィアは罰せられてしまうんですね」
「ランスロットは恐れて逃亡したが、アーサー王はグウィネヴィアを火あぶりの刑に処すと宣言したため、ランスロットはグウィネヴィアを救出するために戻ったんだ。その時の戦いで、円卓の騎士ガウェインの兄弟ガヘリス とガレスを斬殺してしまったんだ」
「何と優秀な円卓の騎士たちが・・・」
「ランスロットへ復讐するために、ガウェインはアーサー王にランスロットと戦うよう訴えた。ついに、アーサー王はランスロットとフランスで戦うことになったのだ」
「アーサー王とランスロット・・・本当に戦いあってしまうんだろうか?」
「ところが、アーサー王が留守にしている間に、モルドレッドがグウィネヴィアと結婚して王座を奪おうと謀反をおこしたんだ。アーサー王は戻らざるを得ず、ランスロットとの戦いは中断となったんだ」
「ブリタニアに戻ったアーサー王はモルドレッドとカムランの戦いで共に戦死し、アーサー王はアヴァロンへ流されていったのです」
その後
「「ランスロットと私が原因で戦争が起こり、この世でまたとない気高い騎士がたがなくなったのです。そして私の立派な夫は討ち死にしたのです」と、グウィネヴィアは修道院に入り、生涯を閉じました」
「ランスロットは精進の道に入り、グウィネヴィアが亡くなったことを知ると嘆き悲しみやせ細り息絶えました」
最後に
アーサー王物語に描かれた円卓の騎士、湖の騎士ランスロット。
強い忠誠心で円卓の騎士が、アーサー王を中心に結びついていたときは、多くのことがうまく行っており、アーサー王は伝説の英雄となりました。
しかし、中心人物のランスロットがグウィネヴィアとの不倫を始めてから、円卓の騎士の関係がおかしくなり、ついにみな滅んでしまったという結末です。
このストーリーから何を感じるのか?
僕は「円卓の騎士」になる条件、人としてどう行動し生きるのか?
中世の人の騎士道の考え方を振り返りたい、と思いました。
最後まで読んでくださり有難うございました。
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