この同盟によって、自称ウェールズの統治者を名乗るイドワルが腹を立てます。どうも腹の立て方が尋常じゃなさそうです。
※前話
(登場人物は実在ですが、ストーリーとキャラはたなかあきら作です)
これまでのあらすじ
ここにまとめてあります~
<登場人物>
ウェールズ内の一国を治めるハウェル。
乱暴者も勉強し落ち着いてきた。
ハウェルの弟クラドグ。かなりお調子者。
ウェールズの最権力者イドワル。冷静で冷淡、冷血。
ハウェルを敵対視するようになる。
最強国イングランドのアゼルスタン王。
湧き上がる熱い心・・・
ハウェルの奴けしからん、ウェールズの統治者のワシを差し置いて、アゼルスタン閣下に取り入るとは! アゼルスタン閣下も気に入らねえ、何でハウェルの奴を。忠誠なワシの方がずっと良いではないか。
はい
イドワル様を怒らせてしまったな。ワシの恐ろしさを思い知らせてやるぞ!
くそっ、今に見てろ!国中の有りったけの猛者たちを集めてこい!
え~、戦いするんすか?
当たり前だ! ハウェルに脅しをかけに行くぞ!
言われた通りやれ!
はっ
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ウェールズの西部デハイバース。
何! イドワルが攻めてくるだと? その数はどのくらいだ?
数万の兵が集まっているそうっすよ。へっへっへ、兄貴〜♡
久しぶりっすよ、兄貴。思いっきり暴れてやりましょう~♡
クラちゃん、あなた自分の兵がどのくらいいるか知っているの?
千人くらいっしょ。
勝てるわけないでしょ、十分の一しか居ないのよ。
だあ〜い丈夫っすよねー兄貴。
ふっふっふっ~♡。身体がムズムズするっすよ。
ふっふっふっ
あっ、兄貴が笑った
俺たちの力を見せてやろう。ふっふっふっ。
よし、例の作戦で行くぞ!
え~兄貴、ついにあれをやるんすかぁ~
恐ろしや、クワバラクワバラ。
数で負け先手を取られたが・・・
俺はイドワル殿に忠誠を誓った覚えもないし、ウェールズに反逆した覚えはない。むしろ平和の為にアゼルスタン閣下と話をしていたのだ。
黙れ黙れ、その勝手な言動がウェールズ統治者である、イドワル様を侮辱しているのだ。聞かぬなら、こちらから仕掛けるぞ。
うひょ〜、奴ら射ってくるみたいっすよ〜♡
ハウェル兄貴、攻めましょ、攻めましょ。
うひょひょひょ、たまんないっす、この感覚~♡
見てくれよ、俺の剣がまだかまだかって言ってるっすよ。
見てくれよ、俺の剣がまだかまだかって言ってるっすよ。
いや、クラドグ。奴らに手を出すな。
よく見ろ、相手は大軍だ。まともに戦って勝てると思うか。
俺が言うまで待てよ。
分かったすよぅ~。兄貴が合図するまで、待つっすよっ
おっ、弓矢が来るぞ、シールドで防げ!
くそっ、
どうだ、我が軍自慢の協力部隊だ。ちょっと脅してやったが、怖くて手も足も出ないか。はっはっはー。
おい、ハウェル、早く降参しろ。さもないと更に攻撃を加えるぞ。
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あっ、あねさん、
何っ、何でここにいるんだ。
あなた達が心配で見に来たの
お前がここにいることが心配だ。
ありがとう、でも大丈夫よ。
私も昔は戦士の訓練を受けているの。
うっヒュー、あねさん、かっくいい〜
大丈夫だ、我々はまともには戦わない。クラドグ、そろそろ例のやつをやるぞ。
ラジャー、分かったすよ〜
エレンはここで待機してくれ、
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おやっ、なんか変な野郎が出てきたぞ、様子を見に行け。
例の影の部下はどこへ行った?
は、今日は見かけませんね。
こんな時に役立たずな野郎だ。奴はクビだ。お前が行け。
クラドグが1人イドワル軍にヨロヨロと歩いて行った。
バラバラっとイドワル兵達はクラドグを取り囲む。
なんだお前は?
ラリってるのか?
ああ、俺の剣がな。
そう言うのが終わるや否や、ピカリといく筋かの閃光が走った。
ガラガラ、ガシャーン
ヒエ〜〜っ
たった助けて〜
どうした、何が起こったのか?
身に付けていた鎧兜のみを斬り裂かれ、裸になったイドワル軍の兵士達はチリヂリに逃げ出した。
あっ、クラドグ!思い出したわ。
昔、ワルだった頃、父と私を脅したときに、あなたのその技見たわ。
その時、ビューっ、耳を裂くうなり音がして、猛烈な速度でイドワル軍を目指して飛びこんで行った。
うぐっ、、、
カランカラン
一筋の長矢がイドワルの禿げ頭の横をかすめ、兜を殴り落としたのだ。
一筋の長矢がイドワルの禿げ頭の横をかすめ、兜を殴り落としたのだ。
イドワル殿、今のはわざと外した。今度は容赦しないよ。その気ならいつでもイドワル殿の脳天を打ち抜ける。軍を引き上げ、グウィネズにおかえりください。
何だと!
ハウェルはロングボウを構えて仁王立ちになった。
何名かのハウェル兵達もロングボウをイドワル軍に向けた。
うぐぐ。 イドワル兵たちは、みな後ずさりを始めた。
うぬぬぬぬ、止むを得ぬ。今日はこの辺で勘弁してやる。
だが覚えておれ、この屈辱は次回晴らしてやるぞ!
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ご苦労であった。クラドグ。
やりましたっすね〜兄貴
でも、あれだけじゃ物足りなかったっすよ〜
凄い、凄いわ、あなたたち。
当たり前っすよ。俺たち強いんすよ。知らなかったんすか、あねさん。
約束通り、戦わずに終わったすよ。
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くそっ、ハウェルの奴!
捻り潰してやらないと気が済まぬわ。
見ておれ!
おぃ
はい、
お前何処に行っていた?
はっ、敵方の情報収集に、、、
大切な時に居ないとはけしからん。
今度変なマネをしたら首が飛ぶぞ!
アゼルスタン、ハウェルの対抗勢力を作るぞ。
ポウィス国、グラモルガン国、イングランド国のエドムンド侯爵に使者を送れ。買収でもなんでもよい、同盟させろ!
いよいよ、ハウェルとイドワルの最終決戦の日が近づいて行くのだろうか。
最後に
ロングボウ、それは長く強力な弓で、破壊力は最強を誇っていた。しかし、かなりの肉体的な力と技能が必要で、相当の鍛錬を積んだ一部の人しか扱えなかった。
また、15世紀になりイングランドとフランスとの100年戦争では、ウェールズのロングボウ兵が駆り出され、大活躍した。フランス兵たちの頑丈な鎧兜をブチ抜き、少数のイングランド軍が大軍のフランス軍を打ち破った、アジンコート(アジャンクール)の戦いが有名である。
※エレンがクラドグの剣を昔見た場面
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最後まで読んでくださり有難うございました。
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