こんばんは。ウェールズの歴史研究家たなかあきらです。9世紀~
今回は、ハウェルがローマに行っている間、留守を預かる弟クラドグと妻ヘレンに起きた波乱とは・・・
(登場人物は実在ですが、ストーリーとキャラはたなかあきら作です)
これまでのあらすじ
ここにまとめてあります~
<登場人物>
ウェールズ内の一国を治めるハウェル。
乱暴者も勉強し落ち着いてきた。
ハウェルの弟クラドグ。かなりお調子者。
ウェールズの最権力者イドワル。冷静で冷淡、冷血。
ハウェルを敵対視するようになる。
最強国イングランドのアゼルスタン王。
鬼の居ぬ間に
ハウェルはどうした。最近奴の噂を聞かぬが、死んだか?
生きているようですが、どうも奴の国に居ないようです。
ローマ巡礼に出掛けたとか。
俺様が脅したから、怖気づいて逃げだしたのか。
はっはっはっ。
強がっるだけの臆病者だったようだな。悪行を恥じて懺悔か。僧侶になるつもりだな
まあ、よい。目障りな奴が消えたのは都合が良い。
まあ、よい。目障りな奴が消えたのは都合が良い。
この際、ハウェルの奴のケレディギオン国に攻め入って領土を奪いましょうか?
いや、争いは良くない。内乱はアゼルスタン様への印象も悪くなるだろう。
奴の国ケレディギオンはしばらく放っておこう。ただ、監視は怠るなよ。
はっ。
(部下とは言え、いつ見ても奇妙な奴だ)
そんな事よりアゼルスタン様へのご挨拶をせねばなるまい。土産をたんまり持って、今のウェールズの状況をお伝えしよう。きっと大喜びされるぞ。その顔を見てみたいものだ。
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アゼルスタン閣下、ご無沙汰しており申し訳ございません。
おぉおぉ、イドワル君。今日はどうされた?
覚えは無いが、何か打ち合わせでもあったかな。
ウェールズの特産品をお持ちしました。
そんな用でわざわざ来られたのかな?
いえ、いえ、それだけじゃございません。ウェールズの最近の情勢を、ご報告させていただこうかと。
ウェールズはイドワル君に任せたはずだが。
おぉ、そうか。良かったの。じゃ、ワシはこれで失礼する。
あの、アゼル、、、
まだ何か?ワシはスコットランド平定の件で忙しいのじゃ。暇なイドワル君に構ってはおれんのだ。
そうだ。遠征のため、イドワル君の兵をちと貸してはくれぬか。ウェールズ兵も多少は役に立つだろう。
はっ、アゼルスタン閣下、喜んで。選りすぐりの猛者達を派遣いたします。
(ふぅ、やれやれ、うっとおしい奴だ。イドワルと言う男は。おだてるのも面倒だな)
(おぉ、アゼルスタン閣下が、ワシに期待し協力を要請された。運が向いてきたかも知れぬぞ!)
留守中に驚かさないでよ!
ウェールズの西部、デハイバース国
なに、クセものっ。誰っ、何しにここに入ってきたの
(・・・)
顔を見せなさい。
(ただいま。戻りましたっすよ、アネさん)
何?誰?
(オレっすよ)
へっへっへっ。アネさんを脅かすつもりじゃ無かったけど。
なんだ、クラドグ、驚かさないでよ。変わった服装で分からなかったわ。
それで、どうだったの? イドワル達の今の様子は。
おいら達のケレディギオン国はぐるりとイドワル軍に監視されてて、
あのハゲは猛者達を集めているようっす。
えっ、イドワルは私達、ケレディギオンを攻めるつもりなの?
いや、そうじゃ無いっす。
びっくりした。脅かさないでよ、クラドグ。
へっへっ。アネさん意外と怖がりだったんすね。ヒヒヒ。
ただ、あのハゲ野郎、我々にも兵と食料など大量に出せと、言ってくるかも知れないすよ。
心配事
それも厄介だわね。心配だわ。
心配と言えば、もっと大きな心配事があるの。
アネさんも心配になるんすか。
- ヘェ〜
何よその言い方。
実は最近、父ラワルヒが心配なの。体調を崩して、寝たきりなのよ。
良くなってくれるとよいけど、どんどん弱っていくようで、、、とても心配だわ。
大変、それはとても心配、心配っす。
アネさん、ついてなくて良いんですか?
私もハウェルからこの国の留守番を頼まれたし、イドワルの動きも心配だし。
こんな時にハウェル兄貴が居てくれたらなあ。
寂しいっすよオレ。
この前の手紙で、法の勉強ははかどっているから、もうしばらくで帰れそうだ。と書いてあったじゃないの。もうちょっとの辛抱よ。
それまで、頑張って国を守りましょう。
そうっすけど。
た、大変だ、大変だ!エレンさん
どうしたの?
ラワルヒ王がっ
えっ、そそんな・・
はっ、早く・・・
最後に
ハウェルがローマに出掛けている間、ハゲ野郎イドワルがハウェルに勝ち権力を固めようと、イングランド王に媚びを売って居たんじゃないかな、と思っています。
イドワルはこのストーリーでは悪役にしてますが、実際は悪ではなかったかも知れません。
確かなことは、イドワルがハゲ野郎だったことです。
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