こんばんは。たなかあきらです。
イギリスにいた時、なんじゃこれ!
という日本では考えられないような体験をしました。そのいくつかをお話していきたいと思います。
今回は、バス編です。
驚いたバスの運ちゃんと乗客の非常識
僕は長距離のバスに乗っていた。何行きのバスだっただろうか。
10年くらい前の昔のことで記憶は定かではないが、恐らく南ウェールズの歴史遺産であるチェプストウ城を見て、当時住んでいた首都カーディフの家に戻るときだったような気がする。
観光を堪能して疲れた身を、バスに完全に任せていた。のどかな田園風景が延々と続く風景をぼーっと眺めていた。そして、小さな集落に差し掛かった時のことであった。
急にバスが止まった。
何事が起きたんだ? バスが故障でもしたか? パンクでもしたか?
すると、運転手の申し訳なさそうなアナウンスが入った。
えっ、運転手さん、そりゃないよ。冗談言うなよ。
それ悪いジョークでしょ。そうそう、イギリス人の大好きな、笑えないジョーク。
バスの中は、そんなジョークを言う場所じゃないよ。
僕はそう信じた。乗っていた他のお客さんもきっとバスの運ちゃんは悪いジョークを言っていると思うだろう、と僕は思った。
おいおい、やめてくれよ。本当かよ。
バスは、急ハンドルを切って方向を変えた。
しかも、他の乗客の反応は、僕の予想をはるかに超えるものであった。
乗っていたお客さんからは、何の反応もなかったのだ。
こいつら、さくらか? 運ちゃんに雇われたのか?
どっきりか何かで僕をからかおうとしているのか?
みんなグルになって。
バスは方向を急転換してから、かなりの時間走り続けた。
まさか。まさか。まさか。
まさか、この乗客たちは・・・
その、まさかであった。
実はバスの運転手は車内アナウンスで、こう言ったのだ。
「すみませ~ん。バスの停留所飛ばしちゃったので、戻っていいですか? 30分ほど戻っちゃうんですけど」
僕は運転手の、間抜けたアナウンスにあきれ返り、乗客はその提案に大反発するだろうと期待した。
腹が減って食事をしたい人もいるだろう。人と会う約束をしている人もいるだろう。仕事でアポを取っている人もいるだろう。テレビ番組を見たい人もいるだろう。
僕も疲れたので早く帰って寝たい。
「何を言っているんだ君は。けしからん」
「戻ったら1時間もかかるだろう。忙しいんだ。そんなことに付き合っている暇はない。さっさと先に進め!」
などと、怒りの声が飛び交うことを予想した。
しかし、誰も無反応、暗黙の了解のような空気が漂っていた。
誰も怒らないのか? 自分の時間を無駄に使われて、腹が立たないのか?
僕は怒りを通り過ぎて、びっくりしてしまった。
乗客たちは沈黙を続けていた。というより、何事もなかったかのように乗っていた。
乗客たちはとても寛大なのか、またはこんなことが日常茶飯事なのか。
どちらかであった。両方なのかもしれない。
バスは30分かけて飛ばした停留所に戻り、人を乗せてまた走り始めた。
乗客たちは静かであった。
やはり、何事もなかったように乗っていた。だれもこの事について、苦情を言うものも、口にさえ出す人もいなかった。
イギリスではバスが停留所を飛ばして、30分かけても戻る、ということは常識の様であった。このことは、日本人の僕にとっては大いに非常識で、とても驚くことであった。
イギリス人は、運転手の過ちにとても寛大であった。そして、ロスした時間に対してもとても寛大であった。この点はとても感心したし、見習う点はあるなあと思った。
こんな、寛大な心をもって生きれたら、人生も楽だろうなあ。
来ないバス
さっきの運ちゃんは飛ばした停留所に戻り、大きく遅れながらもバスは来ましたが、
バスが本当に来ないときも何度もありました。
停留所の電光掲示板で、僕が乗ろうとしていたバスの表示が出ています。
あと何分、みたいな表示もでています。しかし、待っても待ってもなかなか来ません。
あっ!
電光掲示板から、そのバスの表示が突如として消えました。忽然と消えました。
そして、待っても待っても、そのバスは来ることはありませんでした。
ようやく来たと思ったら、次のバスでした。
僕が乗ろうと思っていたバスは、急に抹消されていました。なんのアナウンスもなく。
こんなことはよくありました。
日本では考えられない非常識ですが、イギリスでは日常的に起きている常識でした。
無サービスバス
バスの中では何のサービスもありません。
これには驚きました。
日本の場合が過剰サービスだからかも知れません。
お金を払う時、おつりはありません。ちょっとくらい、まけてくれることはありません。ぴったり払わないと、バス会社の丸儲けになってしまいます。
紙幣しか入っていなかったら、最悪です。
事前に財布の中にチャリ銭が入っているか確認してから、バスに乗らないといけません。
また、こんなこともしょっちゅうあり、僕を苦しめました。
バス停の車内アナウンスが全くないのです。
さっきどの停留所で止まったのか、次のバス停留所が何処なのか、全く教えてくれません。車内に停留所のルートも書いてません。
あれ、どこで降りるんだったっけ、今どの辺走っているのだろうか?
と考えていたら、あっと言う間にバスは降りるべき停留所を素通りしてしまいます。
初めて乗る路線の場合は、最悪です。全くどこで降りたらよいのか見当もつきません。
イギリスの人たちは、どうやって間違いなくバスの乗り降りをしているのだろうか?
とても不思議でした。
でも運転手さんは、優しい人が多いので、僕はここで降りるので、その時に教えてください~と乗るときに行っておけば、ちゃんと停まってくれました。
どれもイギリスでは常識ですが、日本ではとても非常識のことです。驚くことばかりですが、それぞれの国には、それぞれの常識非常識があり、文化や風習を知ることが出来て、とても興味深かったです。僕にとってはとても良い体験でした。
最後まで読んでくださり有難うございました。
コメント
国によって、常識が違うんですね。
バスの中で、アナウンスがないのと、おつりが出ないのは、困りますね。
でも、僕はウェールズのバスに乗ってみたいと思いました。
バスの窓から、ウェールズの町の景色を見てみたいです。