（18.7.28更新）
カリスマと言えば何を連想しますか？
カリスマ美容師、カリスマ塾講師、カリスマみんなすごいなあ・・・憧れがありますよね。
辞書で調べてみるとこうありました。
超人間的・非日常的な、資質・能力。英雄・預言者・教祖などに見られる、民衆をひきつけ心酔させる力。
やっぱ、カリスマってすごいなあ。でも、その人だからこそできるんだ真似できないなあ、一代で終わってしまうんだろうなあ、そう思っちゃいますね。
世界の歴史上を見ても多くのカリスマ的な王がたくさんいます。その中でもカリスマ性を継続させ国家を継続させた人物もいます。
イギリス史上においてもカリスマ性を発揮して、大きく世の中を変えてしまった男がいるんだ。彼の名はウィリアム1世、またの名は「ウィリアム征服王」と呼ばれているんだな。
へえ～すごい王もいるんですね。そのウィリアム1世のカリスマ性が気になりますね。
なぜ、ウィリアム1世がイングランドを征服して「ウィリアム征服王」と言われるようになったのか？彼のカリスマ性のポイントを紹介するよ。
イングランドを征服したカリスマ王、ウィリアム1世
簡単に、ウィリアム1世がイングランドを征服した歴史上の出来事を説明しよう。
1066年、ノルマン系フランス人のウィリアム1世はわずか1万2000人の軍を引連れフランスのからイングランドに攻め込んだ。
一瞬のうちにイングランド軍を打ち負かし乗っ取ったんだ。そして、イングランドに住みついた5000人のフランス人で、150万人もの人口を抱えるイギリスを完全に征服してしまったんだよ。
なんと！そんな少数で大人数を征服してしまったのですか！
その出来事は、ノルマン征服（ノルマンコンクエスト）と呼ばれているんだ。戦略は後でたっぷりとはなしをするよ。
以後、ウィリアム1世が築いたイングランド国家や王室は今日まで続いているよ。ウィリアム1世はエリザベス2世やチャールズ皇太子、ウィリアム王子はウィリアム1世の子孫なんだ。
このウィリアム1世は、その人柄と考え方、行動に非常に強烈なカリスマ性を持っていたんだ。
ウィリアム1世のカリスマ性その①：自分を信じ貫く
なぜ少数の兵でイングランドをいとも簡単に征服し、はるか子孫まで長期にわたってイングランドを統治することができたのか、とても興味があるだろう？
まずは、ウィリアム1世の性格についてだ。この性格があったからこそ、彼のカリスマ性が生かされたと思うんだ。
【自分を信じ貫き通す】
ウィリアム1世は自分のカリスマ性を信じて活かします。出る杭は打たれますが、周囲からの風当たりも気にせずハネのける強い情熱と意志を持っていました。
自分を貫いて反対勢力を押し切った（自分を知り活かそう）
ウィリアム1世はもともとはギョームという名前で、父はノルマンディー公国を治めるロベール1世だったんだ。
そして、ウィリアムは子供のころから戦闘ごっこでは抜群の指揮力を示し、ノルマンディー公の父に素質を認められて高い教育を受けたんだ。
最初から立派な家系に生まれてとても秀才だったんですね。
しかし、そうとも言えないんだよ。彼の生まれに問題があったんだ。
ウィリアムの母は身分の低い商人の娘で、父が街に出て遊んだ時に出会ったんだ。ウィリアム1世は父の浮気で産まれた子で、事ある毎に私生児（バスタード）と軽蔑されていたんだ。
更には、そんな身分で才能もありロベール1世に気に入られているので、親類周りからの嫉妬心も大きかったんだ。
ぶるぶる・・・やっぱり、才能ある人は境遇が悪かったり嫉妬を買ったりするんですね。それを跳ねのけたから凄いんですね。
そうだな。ウィリアム1世は境遇にめげずに自分の性格を利用して自分を貫こうとしたんだ。
がっしりした体格と激しい性格で、相手を縮み上がらせる程威嚇したんだ。また、若いウィリアムが継いだノルマンディー公国を奪おうと各国が狙ったけれど、折れない強靭な性格と意志の強さで他国ともやりあい、 外部圧力に屈することなく国を守ったんだよ。
すごいなあ～僕にはまねできないなあ
最初からできない、と諦めてはだめだ。ウィリアム1世は確かに凄い性格を持っていて、それを生かせたと思うんだ。
君はウィリアム1世とは大きく違うから、君は君の性格を信じて、自身を持って生かしていけばいいんじゃないかな。
自分を貫いて女性を射止めた
ウィリアム1世の信念の強さのエピソードだ。
成人になったウィリアム1世はフランドル伯の娘マティルダに求婚するけど、私生児と罵りられ7年も断り続けられるんだ。
しかし、ウィリアム1世は黙ってはいなかった。信念を屈することなく、なぜ結婚しないんだ！とマティルダに怒りをぶつけ迫ったんだ。
しかし、行動力があり男らしい！と、荒々しく強気な姿勢を気に入られ、ようやくウィリアム1世とマティルダはついに結婚したんだ。
信念と言うか怖いくらいの執念ですね・・・
荒々しい性格のウィリアム1世だけれど、かなりの美男子だったらしい。
才能もあるし縁談の話はたくさんあったかも知れないね
ウィリアム1世のカリスマ性その②：戦略をしっかり考える
いくら意志の強さが強くても、やたらめったらやっていたらダメだよな。ウィリアム1世は、深い教養を通した戦略があったからこそ効果的に自分の能力を発揮できたんだ。
【戦略に富む】
ウィリアム1世は卓越したセンスや先を見通す力を持っていました。またそれには優れた戦略も必要となります。
そうそう、これが聞きたかったです。ウィリアム1世はどんな戦略を立てて、征服王になったのですか？
ウィリアム1世は2つの戦略・策略を立てたんだ。
ウィリアム1世の戦略①：国を強化する（他人の強力を得る）
一つ目は、自分を貫く力があるウィリアム1世とはいえ、自分一人では何もできない。他人の協力が必要だよな。
まずウィリアム1世が考えたことはノルマンディーの国力を強化するためのバックアップを得る事だった。それがマティルダとの結婚はウィリアム1世の策略が多分に含まれていたんだ。
私生児であるがために社会的にも弱い立場だったけど、マティルダと結婚することによってフランドル伯のサポートを得たんだ。またマティルダの教養と風格は権力者としての気品を十分に持っており、ウィリアム1世は逆玉の輿的に利用したとも言えるな。
ウィリアム1世の戦略その②：イングランドの征服（他人をうまく利用する）
二つ目は、国を広げより強化するためにイングランドを乗っ取ることだった。そこまで大それたことは、そう簡単になせるものではない。
過去にはデンマークのヴァイキングが、イングランド王の座を乗っ取ったことがあったけれど、何百年もの争いが続いた結果だった。
※ヴァイキング時代に関しては漫画ヴィンランド・サガの前半でも触れていますよ
しかし、ウィリアム1世は一瞬のうちにイングランドを征服してしまったんだ。
それは奇跡に近いですね・・魔法でも使ったのですか？
アーサー王物語ができた頃に近いけど、ウィリアムに魔法はなかったよ。かわりにウィリアムはいろいろ策略を練ったんだ。
先のイングランド王エドワードから次期王の権利を譲り受けたと訴え、イングランドを攻める正統性をローマ法王に認めさせます。
もちろん、当時のイングランド王のハロルド2世はこれに不服を訴え、敵意をあらわにします。ハロルド2世は武勇に非常に優れ、まともに戦ったのでは勝てそうにありませんでした。
ん～、話を聞いていると難しそうですね。夜討ち、奇襲かなんかやったんですか？
それか誰かと手を組んだとか・・
おっ、なかなかいい所をついているね。ウィリアム1世はハロルド2世の弟トスティグと手を組み、彼を利用してハロルド2世に対して謀反を起こさせたんだ。武力に勝るハロルド2世は弟に勝利したんだ。
さすが、ハロルド2世。でも、ウィリアム1世にとったらトスティグが負けちゃダメじゃないですか？
そこはウィリアム1世にとってみれば想定内で、罠をかけていたんだ。ハロルド2世は勝利したものの、兵力を多く失い兵たちも大きく疲弊していたんだ。
絶好のタイミング！と、ウィリアム1世は1万2000と少数の兵ながらイングランドに急襲をかけるんだよ。それも急襲した場所が、ハロルド2世が戦っていた場所から離れた場所だったので、ハロルド2世は疲労した兵に鞭を打ち駆けつけるんだが、そんな状態では十分な戦いはできるはずもないんだよ
なるほど、さすがですね。ウィリアム1世は頭がいいですね。
この最後の戦いはヘイスティングスの戦いと呼ばれ、大接戦となりますが最後にはウィリアム1世が勝利したんだ。
こうしてカリスマ性を発揮したウィリアム1世は、ノルマンディー公国の強化とイングランドの乗っ取りに成功したんだ。
※再現されたヘイスティングスの戦い
ウィリアム1世の戦略その③：仕組みを作る（継続させる）
すごいカリスマ性を発揮しても、一代限りで終わってしまってはとても残念。イギリス歴史を見てもカリスマ王が倒れた後は、必ずと言っていいほど後継者争いで国が乱れ、カリスマ王が成した事は引き継がれないことが殆どだった。
【カリスマを後継する】
ウィリアム1世は自分のカリスマ性が引き継がれるように、当時としては斬新で強い仕組みを作りました。
仕組みまでつくったのはすごいです。だからこそ、征服王と呼ばれるようになったのですね？どんな仕組みを作ったのですか？
いくつか挙げてみよう。
・完璧な徴税をして国家の財源を確保するため、国税調査を実施してそれぞれの土地はどのくらい税が取れるのか綿密に調査しました。
・争いが起きないようにイングランド国王の継承は国王の長男とし、領土は子達で分割することもやめました。これまでのイングランドでは後継者は議会で決めており、骨肉の争いになることもありました。これにより中央集権が強まりました。
・臣下に与える領土はバラバラに飛び地で与え、力が集中しないようにしました。
・イングランド国王が不在の時は王妃が代行して国を治めれるように、初めて国王妃の戴冠を行いました
・石造りの砦を初めて建築し、当時木造が主だったイングランド諸侯達を武力でも圧倒し反発を防ぎました
最後に
こうして、ウィリアム1世は他のヨーロッパ諸国とも一線を画す、強く中央主権化された君主国家を形成したのです。そのおかげで、ウィリアム1世が作り上げたイングランド王国は（現在のＵＫ）その後も崩壊することなく今日まで続き、イギリス王室も初代ウィリアム1世から数えて今のエリザベス女王まで41代続いています。
ウィリアム1世の成功の秘訣をおさらいしておきましょう。
・自分を信じて諦めず貫く
・戦略をしっかりと考える
・仕組化して継続させる
＜参考：イングランド王の記事＞
www.rekishiwales.com
www.rekishiwales.com
最後まで読んでくださり有難うございました。
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