アメリカは誰の名前が由来?
Americaという名前はアメリカ州を探検したイタリア人、アメリゴ・ヴェスプッチからきていると言われています。
しかししかし、アメリカの名前はアメリゴからではなくあるウェールズ人の名前から付けられたという説があります。その事実と理由についてお話いたします。
記録上アメリカの地を初めて踏んだヨーロッパ人
15世紀当時、航海で活躍していた人物の一人にイタリアの航海者であるジョン・カボット(John Cabot)がいました。ジョンは北アメリカを発見した人物として知られており、記録上では1497年に初めてアメリカの地を踏んだ人物と言われています。ジョンはイングランド王から褒美をもらった最も有名な冒険家でした。
税関で働いていたウェールズ人の投資家の名前がキー
※アメリックの家紋
当時、イギリスの航海はウェールズとイングランドの国境付近にあるブリストルが主な港で、イングランドですが多くのウェールズ人が住んでいました。
そのブリストル港でリチャード・アメリック(Richard Amerik)と呼ばれる人物が、税関の徴税官として働いていました。
このジョン・カボットが航海をするうえでリチャード・アメリックはパトロンとなり、最も多くのお金を航海のために寄付しました。
アメリックの名前をウェールズ風に表現すると、Richard ap Meuric(リチャード・アプ・メリック、メリックの子リチャード)と言い、これが英語的な表現に変わってリチャード・アメリックと呼ばれるようになりました。
こうしてアメリカの名前が付けられた
ジョン・カボットはイタリア人ですが、1484年にロンドンに移り住みました。そこで、イングランド王であるヘンリー7世のもとで未開拓地を目指して、ブリストル港から西方に探検航海する役を務めていたのです。
ジョン・カボットの船はマシュー号 “Matthew”と呼ばれ、 1497年にラブラドル半島に到着し、北アメリカの海岸をノヴァスコシア州からニューファンドランド島までの海岸の地図を作りました。これが後にカナダがイギリス領になるきっかけとなりました。
ブリストル港のチーフ徴税官であり最もお金を投資したリチャード・アメリックの名前が地図上に付けられる可能性は十分にあり、新しく見つけられた大陸には少なくともイングランドでは、アメリック・ランドとして知られたようです。
アメリックがアメリカの由来と言われている理由
なぜアメリゴ・ヴェスプッチではなくリチャード・アメリックがアメリカの由来と考えられのか?
・アメリックが投資したジョン・カボットはヴェスプッチが新大陸に興味を持つ前にアメリカを探検して地を踏んでいた
・新たな地は名字をつけるのが通常で、名前を付けることはしない。もしアメリゴ・ヴェスプッチの名前を用いるのなら、アメリカはヴェスプッチ・ランドのような付け方になる。
ということだそうです。
最後にまとめ
復元されたマシュー号
アメリカの名前の由来は、アメリゴ・ヴェスプッチかもしれませんし、リチャード・アメリックかもしれません。南米、北米ありますが、いずれにしても彼ら(アメリックの場合はジョン・カボット)は当時のアメリカ大陸の冒険に大きく貢献し、その後の人々に大きく影響を及ぼすきっかけになった人物であることには間違いないと思います。
当時彼らのことを知り、より歴史を深く知ることは意味があることだと思います。
アメリックの名前が付くきっかけとなった、ジョン・カボットのマシュー号の1497年の航海は、その500年を記念して1997年に再現されました。こういう歴史の再現はとても素晴らしいことだと思います。
Discover the ship that discovered America | Matthew
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