それは、西暦5世紀の事であった・・・・
イギリスは日本と同じように島国であるが日本と異なり古代から様々な民族が侵略して大きく歴史を変えていたのであった。
その5世紀に、現在のイギリスのウェールズにいた王が起こした出来事が原因であった。このウェールズ王がいなければ、今のイギリスは無かったかもしれない。今のイギリスはイギリスと呼んでおらず、ウェールズとスコットランドだったかもしれない。
当時は誰一人、今のイギリスの姿を予想していなかっただろう・・・
その隠された事実は・・・・・・・
張本人のウェールズ王は、ローマ帝国にダメ印を押されていた
西暦5世紀の初めは、今のイギリスの中心であるイングランドは影も形もありませんでした。変わりに一帯に住んでいたのは、ウェールズ人の祖先であるケルト系民族のブリトン人でした。
そのブリトン人の王の名は、ヴォルティゲルン。今のウェールズ中央部に拠点を置き、現在のイギリスを治めていました。しかし、北からピクト族(スコットランドの先祖)、西からスコット族(アイルランドの先祖)が攻めてきました。
〈このままでは敵に敗けてしまう、何とかせねば・・・・〉
ウェールズで悩んでいたヴォルティゲルンは、お上のローマ帝国に助けを求めました。
〈どうぞ、援軍を送ってミーを助けてくだしゃい〉
しかし、ローマ帝国の答えは冷たいものでした。
〈シャラップ!お前ごときに援軍はやれん!異端児め!〉
無節操に女グセが悪いヴォルティゲルンは、キリスト教で御法度の近親相姦を親族に強
要しているところをローマ帝国の偵察隊に見つかっていたのでした。
ウェールズ王の失態で乗っ取られたイギリス
途方に暮れたヴォルティゲルンはある人物に注目しました。
〈給料弾むからさぁ、ミーの為に戦ってくれないか?〉
ドイツ北部に住んでいたジュート人であるヘンゲストとホルサの不良兄弟でした。
ジュート人仲間からも素行が悪く疎まれていたこの不良兄弟は、
〈しめしめ、いい食い扶持が見つかったぜ〉
軍を引連れてヴォルティゲルンのいるイギリスにやってきました。そしてきちんと仕事を果たし敵を追い払いました。しかし、このままでは仕事がなくなる、自分たちの北ドイツより気候の良いイギリスに残りたいと思った二人は考えました。
〈あの奴、女に弱いぜ・・・ふふふ、いい事思いついた〉
ヘンギストには美しい娘ロワナがおり、ヴォルティゲルンの前に姿を現しました。
〈何と美しい娘だ、是非我がものに・・・〉
一目でロワナに恋をしてしまったヴォルティゲルンは、まんまとヘンゲストとホルサの思うツボ。イギリスの東側のケントを乗っ取ることに成功しました。
〈やったぜ!無能のウェールズ王を利用して一気にワガ領土を広げよう〉
とヘンゲストとホルサはドイツからアングル人やサクソン人も呼び寄せどんどん領土を拡大していきました。
そのウェールズ王がいなければ、イギリスはこんな感じだったかも
その後、数世紀に及んでアングロ・サクソン人(ジュート人とアングル人とサクソン人の総称)は侵略を続け8世紀頃までにウェールズ人は西側に追いやり、スコットランド人を北側に追いやりイングランドの全域を支配しイングランドを建国しました。
実際はこんな感じ
もし、ヴォルティゲルンというウェールズ王がいなければ、ヴォルティゲルンが賢明であったなら、アングロ・サクソン人に傭兵を頼まなければ、今のイギリスはウェールズ人とスコットランド人の国だったかもしれません。
予想です。
当時現在のイギリスの姿は誰も予想しなかったと最初に述べましたが、アーサー王に出てくる魔法使いのマーリンだけが予言していたかもしれません。
(ヴォルティゲルンとマーリン)
※ヴォルティゲルンが登場する、僕が書いた電子書籍も読んでくださると嬉しいです。
- 作者: たなかあきら
- 発売日: 2016/02/10
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
- 作者: たなかあきら
- 発売日: 2015/11/23
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
最後まで読んでくださり有難うございました。
コメント
こんにちは、いつもみてくださってありがとうございます。
僕はアイルランドにはやや注目しているのですが、ウェールズのことは何も知りませんでした。いつも興味を持って読ませていただいております。
質の高い記事、みならわせていただきます。
きつね様、いつも読んでくださり、コメントくださり有難うございます!アイルランドはウェールズとも関りが多く、多くのウェールズ王が訪れたり住んだりしていました。僕はアイルランドについてはその程度しか知りませんが、同じケルト文化に興味を持っています。