吉田松陰の名言に
「(立派な人)が重んじるのは人徳であって、才能ではない。実際の行動であり、学問ではない。」とあります。
小学校では道徳の授業は覚えてますか?。道徳の意味は何でしょうか?
三省堂 大辞林で道徳の意味を調べてみました。
「ある社会で,人々がそれによって善悪・正邪を判断し,正しく行為するための規範の総体」。ん〜あまりピンと来ません。
北野武の「新しい道徳」をよんでみました。道徳とは一言で言うと「いいこと」。しかし「いいこと」は時代と共に変化するので古い考えを押し付けてはダメで、また誰かの都合の良いように作られてもダメ。そんなことをしても世の中は良くならない、と言う箇所が印象に残りました。 僕なりには、それぞれの環境の中で周りの人が「ありがたい!助かる〜」と思うことを自然に行うことかなと思いました。
前置きが長くなってしまいましたが、僕の好きなイギリス・ウェールズの歴史上で道徳的に生き人々から人徳があると慕われた王を探してみました。
◎ウェールズの王さま!
カドワラドルは7世紀にグウィネズ(ウェールズ北部)で生まれましたが、幼くして父カドワロン王が亡くなって、国は反逆者カドファエルに乗っ取られてしまいました。カドワラドルはグウィネズの地を追われ、ブリタニー(現在のフランス・ブルターニュー地方)に逃れました。
部下:何だか敵討ちや復讐の匂いがプンプンしますね。
課長:そうそう、イギリスからフランスに移って時期を見計らい、イギリスにもどって宿敵を倒す!というのが中世の歴史上、よくあるお決まりのパターンだな。
部下:課長は前の部で、部長の座を同期に取られたって聞きましたが・・・
課長:ううううう・・・
部下:課長もマネージャーの座を取り戻すのですか?
課長:もうそれはよいっ! 続けるぞ!
◎神の声を聞いてしまった!!王さま
カドワラドルは成人となり、いつかは宿敵カドファエルに復讐してグウィネズを奪回しようと思い続けていました。機が熟し、カドワラドルはカドファエルを攻撃しようと準備を始めて、ブリタニーのアライン王に相談し軍の援助を得ました。いよいよ出発というある日の事、カドワラドルは神の予言を聞きました。
「カドワラドルよ、前が攻め入るのを諦め王座を放棄して懺悔の日々を送ればお前は聖人になるだろう。いつの日か将来、その報酬としてグウィネズは人々の元に戻り、統治もお前の子孫の元に戻るだろう。
◎迷う王さま!
カドワラドルは、反逆者カドファエルを倒すことが人々の為になると思っていたので、とても迷いました。そのとき、アーサー王に登場する魔法使いマーリンの予言を思い出しました。
◎アーサー王物語を思い出した王さま!
「王座を放棄すれば将来国はお前の元に戻るだろう」
と魔法使いマーリンは、野心家ヴォルティゲルンに予言をしました。ところがヴォルティゲルンはマーリンの予言を聞き入れることなく、当時の王コンスタンス二世を殺害し国を乗っ取りました。その結果、コンスタンスの兄弟アンブロシウスとウーザーに復讐され、ヴォルティゲルンは雷に打たれて惨めな最期となってしまい国も大きく乱れました。
俺が聞いた予言は、マーリンがヴォルティゲルンにした予言と同じではないか!!考え直したカドワラドルは復讐の道を断念し、キリスト教の道へと進みました。懺悔の日々を送るとともに、グウィネズの王族として初めてローマ巡礼をし、ローマ教皇にも会いグウィネズの平和と復興を願い祈り続けました。
◎自己犠牲の王さま!
このカドワラドルの王座を諦め国の平和を日々願う自己犠牲の姿を見聞きして、グウィネズの人々は大きく心を打たれました。疫病がはやり人口が減少し敵に攻められ荒れた国でしたが、カドワラドルを救世主と信じ苦しい生活の中を耐えしのぎました。
課長:まさに、俺の様だなあ!
部下:課長は何か、会社のために自己犠牲をしてましたか?
課長:してるぞ!会社の為、部の業績が上がるように常に祈っているぞ!君にもさっきおごってやっただろう!
部下:缶コヒーだけじゃないすか?課長しょっちゅう昼間居眠りしてませんか?
課長:居眠りではない!神のお告げを聞いているのだよ!
部下:・・・・話の先をつづけてください
◎慕われる王さま!
カドワラドルは後を息子のイドワルに託しました。成長したイドワルはグウィネズに戻りカドファエルを倒し国を取り戻しました。その後もカドワラドルは聖人として過ごし、多くの教会のパトロンになり教会の設立にも力を尽くしたそうです。カドワラドルの行為は人徳あふれるものとして、当時の人々の心をとらえ人々の心の支えとなりました。
部下:ううううう・・・胸が打たれる話ですね
課長:分かってくれたかっ!!だから俺も聖人のごとく、部長の座は狙わないんだ!
部下:課長は努力不足じゃないですか?居眠りがにあってますよ~
課長: なにを~、将来俺も慕われる聖人だぞ!
部下:歴バカ星人ですか
課長:もう缶コヒーおごらないぞ!
おしまい
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