(18.7.28更新)
イギリス王室(イングランド王室)は950年続いています。ノルマン朝、などいくつかの家系に分かれて継承されてきて、それら家系が途絶えてしまうこともしばしばありました。そのエピソードをお話いたします。
この記事を書き直したものが下記になります。
日本の天皇継承はすごい
日本の天皇制度は、初代の神武天皇からスタートし(紀元前660年)、現在の今上天皇(明仁様)に至るまでは第125代2500年以上も続いています。6世紀初の第26代継体天皇以前は、伝説?実在した?という不確定な要素はありますが、天照大神から直系で血筋を繋いで来ている点は凄い事だなあと思います。
イギリスの王室はどうだったのか?
エリザベス女王(エリザベス二世)の時代が50年になり歴代見ても長寿の君主となっています。ウィリアム王子もきれいなキャサリン妃と結婚しジョージ王子またシャーロット王女も生まれ、世界中が注目するロイヤルファミリーになっています。
現在のイギリス王室は1066年からスタートし、日本皇室と比べるとかなり短いです。現在のエリザベス2世は41人めの君主となります。
日本の天皇の場合は、初代から直系の血筋で継承されていますが、イギリス国王の場合は必ずしも直系でなくとも、血の繋がりがあれば国王を継承できる事になっております。
しかし、母系で国王を継承できる状態にもかかわらず、何度も国王存続の危機に直面しました。
スコットランド王がイングランド王になってしまった
例えば第23代国王のエリザベス一世は処女王と呼ばれ、生涯独身を貫き後継者が居ませんでした。またエリザベス一世の兄弟姉妹も世継ぎを残さず亡くなり(子供が生まれても早世)、エリザベス女王の家系チューダー朝は途絶えてしまいました。つまりイギリス王室存続の大ピンチとなりました。
(エリザベス一世)
誰かイギリス王室の血を引くものがいないか探し回ったところ、ある人物が浮上してきました。エリザベス一世の父である悪名高きヘンリー八世の姉の曾孫でした。その人物はスコットランド王ジェームズ6世で、ジェームズ一世としてイングランド王を継承しました。現在のイギリス国王を継承する条件の一つとして、ジェームズ一世を初めとするステュワート家の血を引く者とされています。
(ジェームズ一世)
王位継承者がイギリスからいなくなってしまった!!
アン王女が1702年から1714年まで君主を務めていました。しかし、ステュワート家の直系の血筋は途絶えてしまい、更にイギリス国内にはステュワート家の血を引く者が残っていませんでした。そこで、イギリス国外に王位を継承できるものがいないか探し、ある人物に行きあたりました。
(ジョージ一世)
その人物はドイツのハノーバーにおり、ジョージ一世として即位しました。しかし、ジョージ一世は英語が話せずまたイギリス国の政治にも関心がありませんでした。イギリスには滞在せずハノーバーで過ごしていたそうです。このため王の政治的実権力が弱まり、立憲君主政が進んだと言われています(つまり憲法によって規定された君主制にあるということで、現在のイギリスや日本の政治の体制です)。
日本やはりユニークですね
イギリスの王室継承はとても寛容ですね。スコットランド人でもドイツ人でもイギリス国王になったのだから、もしステュワート家の血を引く日本人がいたら、その人でもイギリス国王になる可能性があった??
日本では基本的に一民族だけで、歴史上他国から侵略されたことがないユニークな国です。ヨーロッパ諸国の場合は、一国の中に幾つかの民族がいたり、常に他国他民族から侵略し合う歴史的背景にあるなどして、混血が進んでいるから寛容な継承がなされているのでしょうか。
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