こんにちは、たなかあきらです。
ウィリアム・シェイクスピアの名作「シンベリン」CYMBELINE。
「シンベリン」て誰?
まずはこのブログを読んで頂き、シンベリンの歴史的な背景をちょっと知ってから本を読んでみて下さい。
きっとシェイクスピア・ワールドを更に楽しむことが出来ますよ!
古代イギリスのちょっと頑固な王シンベリン
シンベリンて初めて聞いたんだけど、どんな人なんですか?
簡単に歴史的な背景から説明しましょう。
現在イギリスのグレートブリテン島には、アングロ・サクソン人(イングランド人)が多く住んでいるんだけれど、そのずっと前の時代です。
当時はブリタニアと呼ばれていたイギリスが、ローマ帝国に支配されるちょっと前、紀元1世紀の前半のことで、当時はケルト系民族のブリトン人が多く住んでいました。
イングランド南東部からウェールズ近くに領土を持っていたブリトン人の王がいました。
その王の名前がシンベリン(Cymbelineまたはクノベリヌス。統治期間 紀元10年~40年頃)です。
シンベリンは当時のローマ皇帝アウグストゥスのローマ宮廷で育ち、ローマ帝国と良好な関係を築くとともに、ブリタニアでも大きな支配力をもっていました。
へえ~シンベリンって、そんな昔のすごい王さまだったんですね~
シンベリンには3人の息子、カラクタス、トゴドミヌス、アドミニウスがいました。いずれも、シェイクスピアの「シンベリン」には直接的には登場していません。
シンベリンの跡を継いだカラクタスが、ローマが治めていたブリタニアの領土を占領しました。それを口実にローマ帝国がブリタニアに攻め入り、カラクタスは降伏してブリタはローマ帝国の支配下になったのです。(紀元43年~410年まで)
※この記事でも時代背景が分かる!
<改訂版> 第1章 ローマ帝国に支配されたブリタニア
シェイクスピアの描く個性ある登場人物達
歴史背景が分かったところで、登場人物を紹介します!
・シンベリン
偉大だけど、融通の利きそうにない頑固な王。なぜか後妻の王妃息子を可愛がる。その堅物さが魅力!?
・王妃
シンベリンの後妻。前夫との間にできた息子の出世のため、策略を練る子離れしない母親。いつの時代も、こんな母親はいそうですね。
・王妃の息子クロートン
王妃の連れ子で、頼りないバカ息子だけど王妃にもシンベリンにも愛される。シンベリンの前妻との娘、イモージェンに恋し略奪しようと試みる。頼りない阿保さが好かれる原因??
・イモージェン
シンベリンの美しい娘。勇者ポスティマスと結婚を願っており一途に思い行動し続ける。美しさだけでなく勇敢で大胆な行動し、男性だけでなく女性ファンもいそうですね。
・ポスティマス
シンベリンの家来であり誠実で勇敢な戦士。幼馴染イモージェンと結婚を願っている。確かに申し分のない良い男のようですが・・・
・詐欺師ヤーキモー
イタリア人の戦士。イモージェンとポスティマスの関係を引き裂こうと忍び寄る黒い影。
※男装するイモージェン
ネタバレ:「シンベリン」のあらすじ概要
ブリタニア王シンベリンには前妻との間に産まれた王女イモージェンがいました。
イモージェンは幼馴染みのポステュマスとひそかに結婚しましたが、父シンベリンは許しませんでした。
シンベリンは再婚した王妃の連れ子クロートンと結婚させようと考えており、ポステュマスをイタリアに追放しました。
イタリア人のヤーキモーは策略を持ちました。イモージェンに「ポステュマスがイタリアで女遊びをしている」と嘘を言い、ポスティマスには「イモージェンの誘惑に成功した」と噓をつきました。
イモージェンはポスティマスを信じましたが、ポスティマスは召使にイモージェンを殺すようにと命じました。
イモージェンは身元がバレないように男装し、ウェールズからポスティマスがいるイタリアに行こうとしました。
イモージェンを手に入れたいクロートンは、消えたイモージェンを探し出して犯してしまおうと、ポスティマスの服を装ってウェールズにやって来たのです。
イモージェンは王妃から薬と言ってもらっていた毒を飲んで倒れてしまいます。更に王妃の口車に乗って、シンベリンはローマ軍と戦争を始めてしまいました。
状況は・・・
クロートンは、イモージェンの生き別れた兄グィディーリアスと決闘となり、殺されてしまいました。
イモージェンが飲んだ毒は、一時的に死んだようになるもので、息を吹き返しました。
イモージェンの実の兄たちにポスティマスも加わってローマ軍と戦い、ブリタニアは勝利しました。
王妃は罪を告白して死に、ついにポスティマスとイモージェンは結婚を許されました。
最後に
イギリス古代の人間模様を歴史的な出来事を舞台に、面白可笑しく人間味豊かに
スリルあり戦いあり、ドラマチックなストーリー展開で書かれており、シェイクスピア・ワールドに引き込まれていきますよ。
- 作者: ウィリアム・シェイクスピア,小田島雄志
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最後まで読んでくださり有難うございました。
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