なぜクラシック音楽の作曲家がイギリスにいないのか 歴史上事件が問題だった。

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f:id:t-akr125:20161204125616p:plain(18.7.18更新)

こんにちは。ウェールズ歴史研究家、たなかあきらです。今回はイギリスにクラッシックの作曲家がいるのか? というテーマでお話をいたします。

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イギリスで有名な作曲家といえば、19世紀ではエドワード・エルガーがとても有名です。エルガーの代表曲「威風堂々」は、名前を知らなくても、どこかで聞いたことがあるんじゃないかな、と思います。

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あっ、この曲なら聴いたことありますね。とっても元気が出ます。

エドワード・エルガー – Wikipedia

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ところで、エルガー以外に有名なイギリスのクラシック作曲家は誰ですか?

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なかなか良い質問ですね。イギリスのクラシック音楽は、優れた作曲家がいる時期と、全くいなくなる時期があるんですよ。まずは、イギリスに作曲家がいたバロック音楽の前半を紹介しましょう。

バロック前半の優れたイギリスのクラシック音楽

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17世紀中旬ごろまでのイギリスの優れたバロック音楽を簡単に紹介いたします。中世の時代にタイムスリップした気持ちになりますよ。

ジョン・ダウランド(1563〜1626)

エリザベス1世からチャールズ1世にかけてのイギリスを代表するリュート奏者で、
庶民的な恋や友愛の曲を奏で続けました。

John DOWLAND – Galliards – Paul O’DETTE.avi – YouTube

涙のパヴァン (ダウランド)

涙のパヴァン (ダウランド)

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トマス・タリス (1505頃〜1585)

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ヘンリー7世の統治からエリザベス1世までの宗教改革の時代に生きた作曲家・オルガン奏者で、悪名高いヘンリー8世に仕え、宮廷作曲家として活躍していました。音が何重にも重なり、とても壮厳な音楽に耳を奪われます。

ヘンリー8世を描いたイギリスのドラマ、「テューダーズ」にタリスは有能な音楽家として、また男爵と関係を持ってしまうホモセクシュアルとして描かれています。本当はどうだったのでしょうか。

Spem in Alium (Classical Music Lounge Version)

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チューダーズ <ヘンリー8世 背徳の王冠> DVD-BOX1

チューダーズ <ヘンリー8世 背徳の王冠> DVD-BOX1

 ヘンリー・パーセル(1659〜1695)

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イギリスの上品さと典雅さを一身に集めた輝かしい作風が持ち味です。CMでおなじみのトランペット・チューンも皆さんにはなじみが深いと思います。

ヘンリー・パーセル:トランペット・チューン

ヘンリー・パーセル:トランペット・チューン

  • サイモン・プレストン
  • ポップ
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

ヘンリー8世(1491-1547)

6人の妻を娶り2人を処刑したとしてイギリス国王の中で悪名高いヘンリー8世。しかし教養深く老練な王とも言われ、作曲家としての一面もあります。

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CMなどでも使用され、覚えやすくとても美しいメローディーです。

www.youtube.com

こちらは、Deep purpleやRainbowなどで活躍したイギリスの伝説のギターリスト、リッチー・ブラックモアがカバーしたバージョンです。

バロック前半以降は作曲家がいない?

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そう言えば、さっき、イギリスのクラシック音楽は、優れた作曲家がいる時期と、全くいなくなる時期がある、って言ってましたよね。

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覚えていましたか。そうなんですよ。ヴィバルディやバッハのバロック音楽後半頃から、ハイドンモーツァルトベートーヴェンが活躍した、いわゆるクラシック音楽が盛んだった時代において、約200年近くイギリスで有名なクラシックの曲は、全くと言っていいほど生まれていないんです。

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なぜなんですか?

・他のヨーロッパの有名な作曲家の陰に隠れたのですか?
・イギリスの音楽レベルが低かったのですか?
・イギリスに作曲家が偶然生まれなかったのですか?

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その理由はこのように考えられています。歴史上に事件に関わりがあるんです。

原因はクロムウェルらしい

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イギリスでは17世紀中旬にオリバー・クロムウェル清教徒ピューリタン)を中心とする議会派が、革命を起こしました(ピューリタン革命)。クロムウェルは議会を解散して独裁政治を初め、競馬、賭博、売春、演劇、音楽も人間を堕落するものとし、禁止したのです。

教区教会のオルガンは破壊され、礼拝堂合唱団も解散させられてしまいました。多くのイギリスの作曲家たちは国外へ逃亡し、この時期のイギリス音楽は、急激な低迷期を迎えることになります。これがバロック中期以降に、イギリスでクラシックの作曲家が生まれなかった原因の一つではないかと言われています。

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いつからイギリスでクラシック音楽が復活したのですか?

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18世紀にドイツの作曲家ヘンデルをイギリスに迎え入れたけど、なかなか後に続く人がおらず、結局はエルガーホルストなど19世紀に入ってからなんだよ。

ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル – Wikipedia

ホルスト:惑星 / ウィリアムズ:スター・ウォーズ

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実力のある人を連れてきても、後継者も育てないといけないし、一度流れが止まってしまったら、ダメなんですね。どの世界でも、継続するって重要なんですね。

今回のイギリス音楽のまとめ

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ピューリタン革命が終わり、1660年後の王政復古以降に音楽禁止は解け作曲家や合唱団の再編成をしました。しかし、イギリスではピューリタン革命以降の約2世紀にわたって是と言った音楽家が生まれていません。

その中断により音楽界、音楽教育にも大きな影響を与えたと考えられ、継続的な活動を中止してしまうと大きな遅れが生じ、取り戻すのに長い期間を要してしまったようです。筆者もビジネスで同じような経験があると言っており、一概には言えないところもありますが継続することは大切だなあと感じた内容でした。

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エルガー:行進曲「威風堂々」

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最後まで読んでくださり有難うございました。

コメント

  1. nezuzyouzi より:

    イギリスの作曲家をあまり、聞いたことないのはそんな理由があったんですね。
    音楽と歴史は繋がっているんですね。
    面白いです。ありがとうございます。

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