(17.8.22更新)
ストーンヘンジの作り方の謎がまた一つ解けてきました。
ストーンヘンジに使用されている数トンの巨石の多くは、ウェールズの丘から運ばれてきました。
このウェールズから運ばれてきた巨石を調査すると、ストーンヘンジのさらなる事実がわかってきました。
(ロンドン大学、マンチェスター大学、ウェールズ国立博物館など、多くの機関での研究調査)
・ストーンヘンジの石はどうやって切ったのか(古代の知恵)
・巨石の使われ方(巨石のリサイクル)
についてお話いたします。
新たなストーンヘンジの作り方の謎に迫る!ストーンヘンジは再利用?
ストーンヘンジの謎?巨石はどうやって切り出したのか?
ストーンヘンジを構成するブルーストーンとドレライトと呼ばれる巨石たちは、ストーンヘンジから225㎞の離れた、ウェールズのペンブロークにあるウェールズの丘から運ばれてきたことが分かりました。
ブルーストーンはCraig Rhos-y-felin、ドレライトはCarn Goedogと呼ばれる場所からです。
そんな遠くから運ばれていたんですね。人が運んできたと考えると大変な作業だったのでしょうね。
巨石たちはどの様にして、切り出して運ばれたのかはよく分かっていませんでした。ところが調査するにつれ比較的に簡単に切り出されていたと推測されました。
岩って簡単に切れるものですか?古代の力で?
プレセリの丘の石切り場を調査すると、岩は自然の中で柱状になっていることが分かりました。
ストーンヘンジに使われていた巨石は、穴などが石切り場の石と形状などが一致するそうです。
そして、岩はこんな方法で切り出されていたんですよ。岩の隙間に木製のくさびを打ち込んで、雨が降った時にくさびは膨張するので、その力で岩を最小限の力で引き抜いていたようです。
古代の人達の知恵はすごいですね~
そうですね、自然を観察し上手く利用する、すごく考え試行錯誤したんでしょうね。我々も見習わなければ。
更に分かったストーンヘンジの事実
ウェールズのプレセリから切り出されてきた巨石を調べていると、あらたな驚くべき事実が分かってきました。
放射性炭素年代測定によると、ストーンヘンジは紀元前2900年頃に最初の部分が作られました。
しかし、ウェールズの石切り場から引き抜かれた巨石は、Craig Rhos-y-felinは紀元前3400年、Carn Goedogでは紀元前3200年と、ストーンヘンジ建築よりも数百年も前に切り出されていたのです。
その間、切り出された巨石は何をどうしていたのでしょうか?
広がるストーンヘンジの謎(ストーンヘンジは再利用?)
なぜ数百年も前に巨石が切り出されたのか? 新たなストーンヘンジの説が浮かび上がってきました。
・巨石のため、ウェールズのプレセリの丘からストーンヘンジのあるソールズベリー平原まで人力で持ってくるのに数百年もかかった、という説
・巨石が切り出された後に、別のモニュメントとして使用されたのちに、分解されてストーンヘンジとして再利用されたのでは、という説
なるほど。せっかく苦労して切り出した巨石ですもの、また採石するのも大変ですものね。
現在では、ストーンヘンジで再利用されたことが、有力となっています。
ウェールズやストーンヘンジの近くには、多くの巨石の遺跡が残っており、いずれかで最初に使われた可能性があります。
ウェールズ西端で切り出された巨石は、まずウェールズとソールズベリーの間のどこかに、ストーンヘンジと同じように王族などの記念碑(お墓)として建てられ、
その後、部族が東へ移動しストーンヘンジがあるソールズベリー付近へと移住し、移住と共に大切な記念碑も移したのではないかと考えられています。
へえ~、面白い説ですね。その最初に作られた、モニュメントはどこにあるのですか?ストーンヘンジの前身になるわけですよね。
まだ残されている遺跡なのか、廃墟となってしまった遺跡なのか、どこにあると想定されるのか、それはいま調査中ということです。どんな調査結果が出るのか、とても楽しみですね。
※ウェールズにあるアーサーストーン (アーサー王伝説より)
最後に
また新たなストーンヘンジの事実が分かり、新たな謎も出てきました。
太古の人類がどういう生活をしていたのか、その歴史を知るのもとても興味深いです
イギリスには、ウェールズやスコットランドに特に多くの巨石が残されています。それぞれの、歴史的な背景は何だったのか?ますます興味を覚えますね。
参考文献)
The ‘Original’ Stonehenge May Have Been Located In Wales
最後まで読んでくださり有難うございました。
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