この単語はウェールズ語?英語に取り入れられた数々のウェールズ語

英語、ウェールズ語の歴史
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こんにちは、たなかあきらです。
ウェールズ語はケルト語の一種で、古代~中世にかけてはイギリス(当時はブリタニア)の広範囲で話される言語でした。

 

しかし、5世紀中旬からアングロ・サクソン人がブリタニアに侵略し領土を広げ7世紀頃にはウェールズとスコットランドを除く大部分を占領し、彼らの言語である英語がイギリスで広く話されるようになりました。

ウェールズ語は元来、文字が無く話し言葉によって伝えられていました。このためか、ウェールズ語はあまり英語に影響を及ぼさず、ウェールズ語の単語や表現は僅かしか英語に取り入れられていません。

 

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その中で私達も比較的よく見る英語で、この語源がウェールズ語だったのか!という単語をピックアップして紹介いたします。

 

 

 

ウェールズ語が元となっている英語

 

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ここでは7つの英語に取り入れられたウェールズ語を紹介します。これらの単語のうち幾つ馴染みがありますか?意外と良く使っている単語の元が、ウェールズ語なんですね。

 

・bard

これは詩人、吟遊詩人という意味です。古代ケルト語のbarosから来ており、ウェールズ語では現在はbarddとなっています。
古代~中世のウェールズでは文字が無かったので、情報を人々に伝える場合は詩人や吟遊詩人楽器を演奏し歌に乗せて伝えました。

 

 

・corgi

これはウェールズ語のcor(dwarf 小人)とgi(dog 犬)が結びついた言葉です。ウェールズの犬、ウェルシュ・コーギー(Welsh corgi)がそのまま使われていますね。

👉ウェールズの犬、ウェルシュ・コーギー・カーディガンとペンブロークの歴史

 

 

・dad

この単語はfather、おとうさんの意味で世界中で広く使われています。ウェールズ語のtadから来ていると言われています。ちなみに、fatherは古ゲルマン語のfaderが語源で  fæder →fatherとなりました。

 

・crag

ごつごつの岩、険しい岩山という意味でウェールズ語のcraig かcrarregから取り入れられたようです。確かにウェールズの国土のうち多くが山岳地帯で、その山岳もごつごつとした岩山が多いです。

👉ウェールズの最高峰「スノードン山」の景色とアーサー王伝説 

 

 

・flannel

フランネルで紡毛糸(ぼうもうし)を主として織った、柔らかく厚めの布のことです。ウェールズ語のgwalanen(フランネルの毛糸)が最も可能性の高い語源と言われています。他にはフランス語の flaineという説もあります。

 

・penguin

 これは言わずと知れたペンギンです。ウェールズ語の頭を意味するpenと白を意味するqwynが結合した白い頭、pengwynがもとになっています。
詳しくはこちらの記事に書いてありますので、ご覧ください。

👉世界一周したフランシス・ドレーク にペンギンの名前の由来があった

 

・avon

シェークスピアの生地で有名なストラットフォード・アポン・エイヴォン(Stradford-Upon-Avon)のエイヴォンです。

avonはウェールズ語のafon(川)という単語から来ています。英語の単語や表現に取り込まれたウェールズ語は少ないですが、ロンドンを初めとして地名には多くのウェールズ語が残されています。

👉ロンドンの語源を探せ イギリス地名に残るケルト語の秘密

 

最後に

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人が行き交う以上、言葉もお互い影響し合っていきます。単語の語源や成り立ちは歴史とも大きく関りがありとても興味深いですね。

 

 

 

コメント

  1. nezuzyouzi より:

    ペンギンはウェールズ語なんですね。

  2. t-akr125 より:

    id:nezuzyouziさん、いつもコメントありがとうございます。ペンギンもウェールズ語と言われていますね。
    Diolch! (ありがとう!)

  3. […] イギリス地名に残るケルト語の秘密・この単語はウェールズ語?英語に取り入れられた数々のウェールズ語・世界一周したフランシス・ドレーク […]

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