「前回の22話では、クラドグに続いて、アゼルスタン王までが亡くなってしまった・・・」
「うぬぬぬ。ハウェルの味方がどんどん減って、悪役のイドワルの勢いが増していく・・・」
「ハゲのイドワル。ギャフンと言わせてやりたいです」
「アゼルスタン王のお墓詣りに出かけたハウェルとエレン。そこで偶然にもイドワルに会ってしまいます。今回も、イドワルがほくそ笑むのでしょうか」
これまでのあらすじ
<登場人物>
ウェールズ内の一国を治めるハウェル。
乱暴者も勉強し落ち着いてきた。
ハウェルの弟クラドグ。かなりお調子者。
自称、ウェールズの最権力者イドワル。ハゲで、冷静で冷淡、冷血。
ハウェルを敵対視している。
最強国イングランドのアゼルスタン王。
更にほくそ笑むハゲ
「あっ、イドワルのハゲ!」
「嫌な奴に会ってしまったわ」
「うぬ、これはこれは。ハウェルと口の悪い嫁じゃないか」
「あら、まぶしいと思ったら。どハゲのイドワルさん。暗い教会でもよく見えていいわねえ」
「それは言うな! どいつもこいつも失礼な」
「プ、フッツ」※イドワルの部下
「わらうな!」
「ふふふっ。しかし、こんな所で会うとは奇遇だな。貴様らは何をしにここに来た」
「アゼルスタン閣下のお墓まいりだ」
「それはそうと、クラドグはどうした?イドワル、お前が殺ッタんだろう」
「クラドグ? 誰だっけ。ああ、ハウェルの弟だったかな? ワシはあれからクラドグには会っていないし、何も聞いていない。ワシは何も知らぬぞ。きっと、どこかで道草でも食っているんだろう。ふふふっ~」
「くそっ、嘘ばかりつきやがって。いつか仇をとってやる!」
「ふん、お前などに用はない。じゃまだ、いま直ぐに国へ帰れ!」
「言われなくても、そうするわよ。そんな頭ばかり見ていたくないわ」
「いや、待て。もっと見せてやる。貴様たちはワシに忠誠を誓った、ワシの部下だ。ワシのお供をしろ」
「お供をしろですって?」
「そうだ。使用人の様に扱ってやるわ。感謝しろ、もう少しイングランドの飯を食べれるぞ」
「うぬぬぬぬ」
「このイドワル様は、これから新しいイングランド王エドマンド閣下の所にご挨拶に行く。その場で、はっきりとエドマンド閣下にウェールズの主従関係を見せつけておこうと思ってな」
「楽しい面会になりそうだ。ふはははは」
「キーっ、憎たらしい。本当っに嫌なハゲ野郎ね。爪をといであの頭を、掻きむしってやりたいわ」
「意外と、エレンも残酷だな」
「冗談よ」
「これからエドムンド閣下がいらっしゃるウィンチェスターに出発だ。お前らも歩いてついてこい!」
「むむむ、やむを得ぬ。ここは黙ってついていくしかないな。しばらくの辛抱だ」
「嫌だけど仕方がないわね。隙を見て逃げ出しましょうか?」
「者ども、静まれ、静まれ」
「何事だ!」
「エドムンド王がお見えだぞ!」
「エドムンド王?」
<<うるさいっすよ、何を騒いでるんすか。ワシがエドムンドだ!>>
「はっ、エドムンド閣下!」
「お目にかかれて光栄です」
<<皆の者、面を上げよ!>>
「はっ」
「あっ、エドムンド閣下!」
「えっ、エドムンド閣下???」
次回へつづく
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