こんにちは、たなかあきらです。
ウェールズ王の中では、カリスマ的な権力を持ちながら、ウェールズで最も嫌われた王がいます。
6世紀に活躍したウェールズ王、マエルグウィン・グウィネズの話しをします。
強力な勇者であった
ウェールズの偉大な王の中でも、中世から現代に至るまで、最も嫌われた王がいるんだ。彼の名はマエルグウィン・グウィネズ(Maelgwyn Gwynedd)。
名前に国名がつくほど権力を持った王だ。
と言う事は、かなり業績はあったんですね。
アーサー王物語では、強力で勇敢な騎士、「100人騎士の王マラグウィン(Malaguin)」として登場しているんだ。
それに、アーサー王の色んな戦いに参戦し、外敵アングロサクソン族に打ち勝ち、ウェールズの勢力を固めたとも言われているんだ。
凄いじゃないですかすごいじゃないですか!!だから名前に国名がついているんですね。そんな英雄が、なぜ現在まで嫌われている王になるのですか?
嫌われる理由
マエルグウィンはどんな男か人物像を見てみよう。想定だがこんな感じだ。
悪魔の様な人物じゃないですか
そんな人物が大王なら、人々は困ったんじゃないですか?
そうだな。30年くらい王座にいて、恐怖政治だったろうな。幾つかエピソードを話そう。
悪魔のエピソード
モルドレッド説
まずは最も有名な話から。
と言うことは、マエルグウィンはモルドレッドでもあるの?
伝説ではそうとも言われてるよ
金をだまし取る
マエルグウィンはランバダン教会に多額の金がある事を知り、司教から奪おうと企んだんだ。
こうしてマエルグウィンは教会の財宝をだまし取ったんだ。
ワルですね~。悪だくみはバレなかったんですか?
いや、バレちゃったよ。そして・・・
他人の嫁を奪いとる
そして、マエルグウィンは奪った財宝を司教に返却したんだ。
マエルグウィンも観念したんですね。
そう、あっさりとね。だまし取った事も深く反省し、出家し僧侶となった。 人々は暴君が静かになり、一安心したんだ。
思い切りよくて、意外と男らしい面がもあるじゃないですか?
しかし、マエルグウィンはマエルグウィンであった。
えっ、どう言う意味ですか?
僧侶暮らしが嫌になり、教会を抜け出し、元のマエルグウィンに戻ってしまったんだ。そして、マエルグウィンは伯父の若い嫁に横恋慕したんだ。
欲しくなったら手段を選ばないのがマエルグウィン。伯父を殺して嫁を奪い取り、文句を言う自分の妻まで殺害したんだ。
ヒェ〜。信じられない。人間じゃないですよ
新たに妻になってしまった嫁も、マエルグウィンの機嫌を損ねないようビクビクして暮らしたそうだ。
退治される悪魔
悪魔は隣国の王とのゲームでもイカサマをして勝利したり、やりたい放題を続けたんだ。
騎士としての腕は優れていたこともあって、悪魔マエルグウィンの国グウィネズは対外的には勢力を増したけど、、国内では恐怖政治に皆絶望していたんだ。
誰か、悪魔を止める事は出来ないか?そこに救世主が出現したんだ。
いよいよ現れましたね。これでマエルグウィンも失脚ですか?
悪魔の息子ラン(Rhun Hir)が悪魔を倒そうと立ち上がったんだ。
ノッポのラン(Hirはtallノッポの意味)も武勇に優れていたが、性格はマエルグウィンには似ても似つかない性格で、人望が厚かったんだ。
悪魔の子は悪魔じゃなくて良かったです。それでランは悪魔の父マエルグウィンを倒したのですか?
そうさ。悪魔はついに捕らえられ勘忍し、王の座もランに譲ったんだ。
ああ、良かった
しかしマエルグウィンはマエルグウィンだった。
えっ、まだ何かしでかすのですか?
悪魔は悪魔ってこと?
長身に美男で人望もあるノッポのランは、アーサー王のアドバイザーにもなったらしい。そんなランを見て、悪魔は、、、あの野郎、いい気になりやがって!
おぉ、恐ろしい。恐ろしい。
しかし、悪魔の復活を人々が受け入れざるを得なかったとしても、神が許さなかったんだ。間もなく悪魔は黄熱病と言う伝染病にかかり命乞いをするが、人々にも見放され神も見放しこれでおしまい。
ふうっ、大変でしたね
マエルグウィンはとんでもない悪魔はですね。
だから、マエルグウィンは現在に及んでも、最も嫌われたウェールズの王なんだ。
こうなっては絶対にダメ、と言うウェールズの王たちにとっての反面教師の塊ですね。
最後に
ウェールズの王を古代からずっと眺めてみても、マエルグウィンより悪い王はいないのではと思っています。
何れかの時に、ノッポのルンを含めた美男王の話しをしようかと思います。
参考記事:これで時代背景などが良くわかります
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