「ひゃーでかっ、でもかわいらしい」
「漫画「七つの大罪」に登場する少女ディアンヌのことです。少女と言っても、巨人の里、メガドーザー出身で身長915cmの巨人なのです」
「漫画では第一巻から登場し、一人旅の途中で男たちに絡まれたところをメリオダスに救われ、メリオダスに恋心を抱きます」
「ディアンヌは巨人で、登場人物の中で一にを争う怪力ですが、拗ねたり照れたり、嫉妬してやきもちを焼いたり、少女っぽい乙女の表情をよく見せます。このギャップがかわいく、面白いですね」
「漫画「七つの大罪」は、アーサー王物語がモデルとなっている、と言われています。アーサー王物語の中では、多くの巨人が出てきます。この中にモデルはいるのでしょうか?」
アーサー王物語の巨人の話
聖ミカエル山の巨人
最も有名な巨人は、フランスのコンスタンチーヌ国でものすごい巨人が出て国民を大勢殺して食っていました。7年間も続けたので、子供はほとんどいなくなってしまった状況でした。アーサー王は聖ミカエル山に登り、巨人をやっつけ、聖ミカエル島に教会を建てました。
※聖ミカエル山は、モンサンミッシェルのことです。
キルッフとオルウェン(ウェールズの伝説、マギノビオンの一話)
アーサー王の従兄弟であるキルッフは、巨人の王イスバザデンの娘オルウェンと結婚しない限り女性に手を触れることが出来ない、という魔法をかけられてしまいます。そこで、キルッフはアーサー王の助けを借りながら、巨人の長イスバザデンが次々と出す難題や妨害をクリアしていくお話。最後にアーサー王らによってイスバザデンは退治されます。
アーサー王の結婚の話
ロデグランス王が苦しめられていた、身長5mもあるという巨人コーラング。アーサー王はコーラングをやっつけ、めでたくロデグランス王の娘グィネヴィアと結ばれたそうです。
「全然違うじゃないですか。この中にディアンヌのモデルなんていないですよ!! 出てきた巨人は、みな敵だったり悪だったりで、アーサー王や騎士たちと戦い退治されてますよ。少女ディアンヌは、主人公のメリオドスと一緒に悪い奴らから国を奪回しに行くんでしょ?」
そうかアーサー王が巨人?
「大事なことを忘れていました。実は、アーサー王自体が巨人という説もあるんですよ。ウェールズの伝説「マビノギオン」の中で、アーサー王に関するこんな記述があります」
「アルスル(アーサー王)は民衆の英雄で、慈善の心を持つ巨人で、他の巨人や魔女、そして怪物を土地から排除した」
実際、アーサー王が巨人だったという証?もあるんですよ。
アーサー王の靴に詰まっていた小石の伝説があります。小石と言っても実は24tもある巨石で、この石は勝利祈願にも用いられているんです。
イングランド王ヘンリー7世も、ばら戦争の最後の戦いのときにも、この「アーサー王の石」に訪れて勝利を願ったそうですよ。
アーサー王の巨人伝説に関する記事:
ヘンリー7世が薔薇戦争を制し、イングランド王になれた理由
「なるほど、まさかアーサー王がモデルとは思いませんがね。ディアンヌの直接のモデルは、アーサー王物語の中にはいなさそうだけど、アーサー王を含め頻繁に出てくる巨人伝説に影響を受けている、と考えられますね。巨人だけど、やきもちを焼いたりするときの表情はかわいいですよね」
※おすすめ記事
最後まで読んでくださり有難うございました。
コメント