こんにちは。ウェールズ歴史研究家、たなかあきらです。
今回は、イギリスの英語の発音についてお話します。
イギリスは小さな島国ですが、英語の発音はとてもバラエティーに富んでいて、場所によって大きく異なっているのです。
イギリス各地の英語発音を簡単にご紹介し、最後に各地の発音が異なる理由について歴史的な背景をご紹介いたします
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イギリスの英語発音の背景
イギリス英語って、どんな発音?
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※イギリス英語とアメリカ英語の発音の違いの動画
イギリス英語はアメリカ英語と発音が異なります。
その代表例は、イギリス英語はあまり巻き舌を使わないのに対し、アメリカ英語では巻き舌を頻繁に使います。
日本の英語教育はアメリカ英語が中心で、巻き舌英語に苦戦する人が多いと思います。
しかし、イギリス英語には多くの方言があり、発音も大きく異なってきます。イギリス各地の発音(イングランド、ウェールズ、スコットランド、(北)アイルランド)をご紹介します。
各地のイギリス英語の発音
イングランドの英語
イギリス英語で代表的な発音と言えば、BBCではないかと思います。イングランドの英語がベースになっており、とても聞きやすいきれいな発音が多いと思います。
例えば、こんな発音です。
ところが、イングランドの中でも多くの訛りがあり、発音が大きく異なる場合があります。ブリティッシュ英語の訛りを詳しく扱っている動画がありますので、こちらを紹介します。
例えば、ビートルズの出身地でも有名なリバプールの英語の訛りと方言です。同じイングランドの中でも、リバプールとロンドンはそんなに離れていませんが、こんなに違うんだと驚きます。
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✅イングランドの英語の訛りについてもっと知りたい方はこちら!
イングランドでなぜそんなに発音が異なるのか? ウェールズやスコットランドに接する地区では、それらの影響を受けているのかもしれません。
歴史的な背景を見ますと、9世紀頃から11世紀にかけて、デンマークやノルウェーからやってくるヴァイキングに占領されていた時代があったのです。
ヴァイキングが話すデンマーク語やノルド語の影響を受けているのかも知れません。
※黄色の部分がヴァイキングに占領されていた領土
ウェールズ英語の訛り
筆者が以前に住んだことがあるウェールズにも、かなりきつい訛りがあります。ウェールズ語の発音の影響を受けていてとても聞きとりにくく、本当に英語を話しているの? と思ってしまいます。
強い訛りになると、辛うじて英語に聞こえてくる、というくらいです。
BBCウェールズにも登場しているコメディアン、ロッド・ギルバートさんのトークです。強い訛りと、結構早口なので、聞き取りにくいです。
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建築作業員のとっても面白いおじさんの英語は、とっても強いウェールズ訛りで、さらに聞き取りにくいです。どのくらい聞き取れるか、じっくりと聞いてみてください。
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ご興味ある方は、BBCウェールズの放送も聴いてみてください。
BBC – Radio Wales – Home
✅ウェールズの英語の訛りについてもっと知りたい方はこちら!
スコットランド英語の訛り
スコットランドの英語は、スコットランド・ゲール語の影響を受けているためか、とても聞き取りにくい、強い訛りを持っています。この魚釣りをするオジサンの英語は聞き取れますか?
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ちょっとこのオジサンの訛りは強いので、こちらの動画の方が分かりやすいかもしれません。
British (Scottish) Accents: GLASGOW / GLASWEGIAN – YouTube
BBCは各地に放送局を持っているので、BBCスコットランドもご興味があれば聴いてみてください。
✅スコットランドの英語の訛りについてもっと知りたい方はこちら!
アイルランド英語の訛り
アイルランドもゲール語(アイルランド語)の影響を受けているんでしょうね、イングランドの英語とは、またちょっと違う訛りを持っています。
この二つの動画を見てくださいね。
BBC北アイルランドもチェックしてみてください。
✅アイルランドの英語の訛りについてもっと知りたい方はこちら!
なぜイギリスにさまざまな方言・訛りがあるのか?
イギリス英語はさまざまな方言があり、大きく発音が異なっているのです。それには、イギリスの歴史が深く関わっていると考えられます
英語に及ぼすイギリスの簡単な歴史
イギリスの正式名称は「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」で、公用語は英語です。その名前の通り、いくつかの国によって成り立っています。
- イングランド
- ウェールズ
- スコットランド
- 北アイルランド
に分けられます。
この4つの国の背景が、各地の英語に大きな影響を及ぼしているのです。
イングランド
5世紀以前には、英語を話す民族はグレートブリテン島には存在しませんでした。
5世紀になり、現在のドイツ北部からゲルマン系のアングロ・サクソン族が、グレートブリテン島の西部に侵略してきました。
そして、数世紀のうちに領土を大きく広げ、イングランドを建国したのです。このアングロ・サクソン族が話す言葉が、英語になったのです。
ウェールズの成り立ち
一方、アングロ・サクソン族に攻められたケルト系ブリトン人は領土を狭め、現在のウェールズ付近にとどまりました。
このブリトン人が、ウェールズ人の祖先であり、彼らが話すケルト語が、ウェールズ語になるのです。
スコットランドの成り立ち
また、北部のピクト族の国、ピクトランドは、5世紀頃からアイルランドからケルト系のスコット族が侵略を始め、スコットランドを作りました。
スコット族の話すゲール語は、ピクト族のピクト語も吸収して、スコットランド・ゲール語になりました。
北アイルランドの成り立ち
北アイルランドは、スコット族が住んでおり、彼らの話す言語がゲール語(アイルランド語)なのです。
つまり、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドは、それぞれ民族が異なり自国語を持っています。
この自国語が、それぞれの民族が話す英語に大きな影響を及ぼしていると考えられるのです。
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