ウェールズはイギリスを構成する国(イングランド、スコットランド、北アイルランド、ウェールズ)の一国で、グレートブリテン島の西部に位置する小さな国です。
ウェールズはとても小さな国ですが、自然が多く歴史も長くユニークな言語や文化がありとても魅力的な国です。
端的にウェールズの特徴を自分なりに表現するとこんな感じになります。実際に住んでみて素朴に人間らしく生きれるなあと感じウェールズの虜になっていきました。
そこで、今回はウェールズに関する満載の情報をご紹介いたします。
ウェールズってどんな所?
ウェールズはどこにあってどんな国なのか?ウェールズの国土、気候、民族、言語、有名人などを簡単に纏めました。
・ ウェールズの人口は約300万人、面積は2000平方キロメートルと日本でいうと四国と同じような広さと人口です。ウェールズの首都はカーディフ(Cardiff)で人口は約30万人ほどです。
・国土の20%は国立公園に指定されている自然豊かな国で、イギリス国内では人気の観光スポットです。後ほど観光スポットについてもご紹介します。
・気候は、夏は30度まで上がることは殆どなく、冬はマイナスになったり雪が降ることも殆ない比較的温暖な気候です。しかし、海洋性の気候で、晴れていても急に雨が降ったり、雨が降ったと思えば急に晴れてきたりと、天気の移り変わりがとても激しいです。
・ウェールズは18世紀後半からの産業革命時代に炭鉱で栄え、その輸送のために鉄道も発達しました。現在は鉱業が衰退しており軽工業や観光などのサービス業、また農業は牧羊が盛んで(山岳地帯が多く土地も痩せているため)、電車の旅をすると多くの羊たちがのんびりと過ごしているのどかな風景を目にすることが多いです。
・ウェールズで最も人気のスポーツはサッカーではなくラグビーで、ウェールズ代表は世界的に強豪チームです。首都カーディフにはミレニアム・スタジアムと呼ばれるラグビー場があり、試合があるときはスタジアム周辺やパブでは試合観戦をする人々で賑わいます。
ウェールズ|世界ランキング|RUGBY REPUBLIC(ラグビー共和国)
再び歴史的勝利なったか!!ラグビーのウェールズ代表と日本代表の激戦2016
・ウェールズに住んでいる人の多くはウェールズ人で、イングランドに多く住む人々とは民族が異なっています。これはウェールズやスコットランド、北アイルランドに住む人々はケルト系の民族であり、イングランドに住むイングランド人はゲルマン系の民族であるアングロ・サクソン族が移住してできた国だからです。(※ウェールズ語や歴史については後述します)
このためウェールズの公用語は英語だけでなく、自国の言葉であるウェールズ語もあり、ウェールズでの道路標識などは英語とウェールズ語の2言語で表記されています。
・ウェールズ出身の有名人には、C・Wニコル、アンソニー・ホプキンス(俳優)、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ(女優)、ギャレス・ベイル(サッカー)などがいます。
※外部のサイトですが、このサイトでもウェールズの概要がよくわかります。
ウェールズって? – ガイドブックに載ってない英国ウェールズ案内
※イギリスの国旗の成り立ち、ウェールズの国旗のレッドドラゴンの歴史が分かります
※レッドドラゴンの出現
ウェールズへの行き方
日本からウェールズに直接行く行き方はありません。ざっくりと書くと下記の2通りの行き方になります。
・日本⇒アムステルダム⇒カーディフ (いずれもKLMオランダ航空)※
※空港はカーディフ郊外のため、ここからさらにバスかタクシーに乗って中心まで移動が必要です。
ヒースロー空港からの行き方
二つ目のヒースロー空港からウェールズへ行く場合の例を示します。
ウェールズの首都カーディフへ行く例を紹介します。
電車の場合は
①ヒースロー空港~ロンドンパディントン駅へ
地下鉄のピカデリーラインでの移動が便利です。
Keeping London moving – Transport for London
ナショナル・レイル(National Rail)に乗って移動します。料金は43ポンドほどで、所要時間は約3時間半程度かかります。
National Rail Enquiries – Official source for UK train times and timetables
長距離バスで移動する場合は、ヒースロー空港からカーディフ中央駅まで直接行くことができます。料金は30~40ポンド程度で、所要時間は3時間半~4時間半くらいかかります。
Coach & Bus Travel | National Express Coaches
ウェールズの公用語:ウェールズ語ってどんな言語?
ウェールズ語はどんな種類の言葉で、英語とはどう違うのかを幾つかのウェールズ語を紹介しながらお話いたします。
ウェールズ語の歴史
ウェールズ語は紀元前数世紀に、大陸よりブリテン島に移住してきたケルト系民族が(後にブリトン人と呼ばれる)伝えたケルト語系の言葉です。
フランスより侵略してきたノルマン人に征服されたイングランドによって、ウェールズも侵略を受け1536年にはウェールズはイングランドに併合されました、。
それ以降、ウェールズでは英語が公用語となりウェールズを学校などで話すことも禁じられました。
ウェールズ語を話す人々は減り続けましたが、20世紀になってウェールズ語教育が認められ、現在ではウェールズ語も英語とともに公用語となり、公共の場の標識などにもウェールズ語でも表記されています。
現在は小中学校の教育やイギリス放送協会(BBC)でもウェールズ語の教育に力を入れており、現在ウェールズ語を話す人は人口の約20%程度ですが、ウェールズ語を話す人口が増え始めています。
簡単なウェールズ語の例
ウェールズ語で日常よく使われる単語を幾つか紹介します。英語とは大きく異なる言語であることが分かりますね。
上には書いてませんが、ウェールズ語には独特の発音があり特にLLとダブルLの発音が特徴的です。例えばロンドンはウェールズ語でLlundainといい、Londonの語源となっています。このLLの発音は日本語では「ス」と表記されていますが、スとはかけ離れた発音ですのでご注意くださいね。
LLはお隣のイングランド人でも発音が難しく、彼らは一つLをなくして「エル」と同じ発音すると言っていました。
LLの発音はこの記事に従って体験してみてくださいね。
ウェールズ語についてもっと知りたい人はこちらをご覧ください。
ウェールズ語は面白い
こちらの記事もどうぞ
・やさしいウェールズ語が学べるサイトを2つご紹介します。英語での説明ですが、私がよく聞いているジェイソン・シェパードさんのウェールズ語講座です。ポッドキャストがあり通勤途中で聞いています。
・ゲーム感覚でウェールズ語を学べるサイトです
キャラクターのアイコンを押して、次にレベル1を選ぶと最も初歩からスタートします。
※参考までにロンドンの語源となったウェールズ語や英語に取り込まれているウェールズ語について書いた記事を紹介しておきます。
とても心に残るウェールズの観光
ウェールズにはスノードン国立公園やブレコンビーコンズ国立公園など国立公園が3つありあり、国土の広大な範囲が自然豊かな素晴らしい場所です。また後で説明しますが、歴史深く多くの歴史遺産が残っています。ここでは主にこの2つの国立公園と、北ウェールズの旅についてご紹介いたします。
2016年 ウェールズの人気観光スポット ランキング 10選 【定番から穴場まで!】 TripAdvisor
スノードニア国立公園
ウェールズの北部に位置するスノードニア国立公園は、豊富な緑の自然に囲まれており山々からは絶景を見ることができます。特にイギリス・ウェールズの最高峰であるスノードン山の観光はおススメです。
英国ウェールズの最高峰の山が聳え立つ大自然の宝庫「スノードニア国立公園 」
英語のページですが、ここをご覧になるとスノードニア国立公園の全貌がぱっと見ることができます。
Things to Do in Snowdonia Mountains & Coast | Visit Wales
ウェールズ最高峰のスノードン山へ行く場合、山頂まで登山でも楽しめますしスノードン登山鉄道でも山頂まで行くことができます。
※スノードン山への旅行記
ウェールズ北部は昔から鉄道が発達しており、各地で蒸気機関車に乗ることができます。実は有名な機関車トーマスもウェールズの鉄道がモデルとなって、話が作られたのですよ。
ブレコンビーコンズ国立公園
ウェールズ南部に位置するのが、ブレコン・ビーコンズ国立公園です。氷河期にできた渓谷や滝、湖や鍾乳洞、大草原や丘陵地帯など、ウェールズ特有の多くの自然景観を楽しむことができます。
行き方はウェールズの首都カーディフ駅から鉄道に乗り、アベガヴェニー駅(Abergavenny)まで行き、そこからバスで1時間程度かけて行けます。
こちらでブレコン・ビーコンズの概要が分かります。
このサイトではブレコンビーコンズについて書かれた雑誌が掲載されています。
英語の公式サイトです
ブレコン・ビーコンズ国立公園からドライブしながら公園近くのお城に行った時の記事です。丘陵地帯の景色が絶景でした。
ペンブロークシャー海岸国立公園
ウェールズにはもう一つ国立公園があります。ウェールズ南西部にあるペンブロークシャー海岸国立公園です。名前の通り海岸の大自然を楽しむことができます。
歴史遺産の旅
私が過去に行った北ウェールズの旅をご紹介いたします。
南部の首都カーディフを出発して鉄道で北ウェールズに行き、世界遺産となっているお城をはじめ、世界でもっともスペルが長い駅、スノードン山の登山と歴史と大自然を楽しみました。
天空の城ラピュタに登場するお城のモデルになったカナヴォーン城にも訪れました。 映画のシーンととてもよく似ていて、とても楽しめました。
<その他参考記事>
・ウェールズの旅に関するサイトを集めたリンク集
http://www.cymru2008.com/topframe.html
・ウェールズ南部から北部に伸びるトレッキングが楽しめるローマ道の関する記事
・ウェールズの観光の魅力を書いた記事
・あまりガイドブックでも紹介されていない、ウェールズ南部の旅
ショートトリップ
心に残るウェールズの歴史
先ほどもウェールズのお城22選を紹介したように、ウェールズには四国ほどの面積の中に数百ものお城が存在する、世界でも類を見ないほどの歴史遺産の多い場所です。その背景にはとても興味深いウェールズの歴史が存在しています。
中世までのウェールズの歴史を端的に表現すると以下の流れになります。
・紀元前数世紀頃からブリトン人と呼ばれるケルト系民族がグレートブリテン島に住むようになり、1世紀~5世紀まではローマ帝国の支配下でした。
・ローマ帝国がグレートブリテン島から撤退した後、しばらくはウェールズ人の祖先であるブリトン人が統治してましたが、今度はアングロ・サクソン人(現在のイングランドの原形となる国々)が侵略して国は小さくなっていきました。
・更に11世紀にフランスからやって来てイングランドを征服したノルマン人の侵略に合い、13世紀にはウェールズも征服されてしまい、15世紀にはイングランドに併合されました。
ウェールズの歴史が面白いと思う理由は
・内乱や外敵侵略など戦乱が長く続き、戦国好きにも興味深い
・とってもお城が多く、お城好きにも面白い
・歴史遺産とともに自然が楽しめる
・長い歴史を経た人々の生き方にも心が動かされる
です。
ここに、ウェールズ人の祖先であるブリトン人が住み始めた古代から、イングランドに併合されるまでのウェールズの歴史について存分に記事を書きましたので、ゆっくりと読んでもらえると有難いです。
<お城に関しては、こちらも参考に>
旨い!ウェールズの伝統料理について
イギリスの食事はまずい!というのが多くの人々の定説で、ウェールズにいた時にホームステイした先でも料理に手をかけるのはナンセンス!と電子レンジでチン!みたいな料理とは言えないような食事が多かったです。
しかし、本当にウェールズにはフィッシュ・アンド・チップスくらいしか料理はないのでしょうか?
いいえ、本当はウェールズにはとてもおいしい伝統料理があるのです。残念ながら私は殆で経験できなかったので、おいしいウェールズ料理のサイトをご紹介します。
ウェールズの郷土料理とは?食べれるレストランは?
・日本語のサイトです:
ウェールズの料理とドリンクの紹介ですwelsh food and drink
・英語のサイトでウェールズで知られる料理とは:
どれを見てもおいしそう!Famous Welsh Foods | What food is Wales known for?
・ウェールズの首都カーディフではここでウェールズ料理が楽しめます:
行ってみるべきウェールズレストラン10選
The 10 Must Try Restaurants In Cardiff, Wales
ウェールズ料理のレシピを紹介する日本語のサイトもあったので紹介します。
ウェールズのレシピ 17品 [クックパッド] 簡単おいしいみんなのレシピが253万品
付録:リンク集
Yoshifum! Nagata presents … ウェールズ?! カムリ!
links to other sites dedicated to wales
ウェールズ関連の本
※この人物が書いてます
最後まで読んでくださり有難うございました。
コメント
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