こんにちは。ウェールズ歴史研究家、たなかあきらです。
今回は、アーサー王映画の中で王道と言っても良い映画「エクスカリバー」をご紹介いたします。アーサー王物語のストーリーに忠実です。
「アーサー王は実はこう生きたかったんだ!」という叶わぬ夢があったことがポイントの映画です。(ネタバレバレです)
映画エクスカリバーは、アーサー王物語のお手本
アーサー王物語を元にした映画はいくつもあります。その中で「エクスカリバー」はアーサー王物語のストーリーを初めから終わりまで、ほぼ忠実に描いていると思います。
・岩に刺さった剣を抜いて王になるシーン
・ランスロットと王妃グウィネヴィアとの不倫
・モルドレッドの反逆
・聖杯探索
アーサー王物語の中でキーとなる、これらの項目がすべて含まれているもです。
剣を抜くシーン
円卓の騎士たち
王妃とランスロット
聖杯伝説
モルドレッドの反逆
この映画で面白いなと思ったのが、アーサー王の叶わなかった夢を語る部分があることです。更に、 アーサー王は温厚な性格のイメージがありますが、気の弱い面があるものの短気で怒りっぽい、気性の荒いアーサー王が描かれています。
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アーサー王の叶わぬ夢とは
「妻よ許してほしい」
「前から思っていたのだが、いつの日か・・・」
王として様々なことを行ってきたアーサー王ではありますが、叶わぬ夢があったのでした。その夢とは、実に普通に夢でした。しかし、王だからこそ叶わないものであったのかもしれません。
アーサーはかつて魔術師のマーリンに尋ねた事がありました。
「騎士たる資格の第一は何だ?」
堂々と立ち向かう勇気だろうか?
憐れな人への同情だろうか?
主君や仲間たちへの忠義だろうか?
決しておごらない謙遜だろうか?
マーリンの答えは、もっと本質を突くものでした。
「真実が第一じゃ。うそは何かを殺すことになる。覚えておけ」
その通り、アーサー王は真実に生きたのかもしれません。真実を守り、人々が平等に平和に暮らせる様に、生きたんじゃないかと思います。
頼りない弱気な青年が、岩に刺さった剣を抜く事ができ、イングランドの王となりました。アーサー王はグィネヴィアとも結婚しキャメロットも繫栄して、アーサー王は絶頂期にいました。しかし、その栄光も長くは続きませんでした。
「なぜダメなの?」
「法だ」
「夫なのに」
「その前に国王だ」
王妃グィネヴィアとアーサー王のやり取りです。真実を守るため、アーサー王は法を重視し、グィネヴィアの願いを聞き入れませんでした。
「真実が第一じゃ。うそは何かを殺すことになる。覚えておけ」
マーリンのこの言葉の通りに、絶頂にあったアーサー王に陰りが見え始めます。グィネヴィアの心はアーサー王から離れ、ランスロットの元に隠れて走るようになります。
ランスロットとグィネヴィアの関係を疑う円卓の騎士たち。アーサー王の苦悩がどんどんと深まっていきます。円卓の騎士たちが争いあい、かつての栄光も失ったアーサー王は、気が抜けて身動きが取れない廃人のようになって行くのです。
激高するアーサー王
廃人のようなアーサー 王
そこでアーサー王は気がつくのです。アーサー王の心の中には、イングランド王として国を繫栄させていこう、という強い決意がありしかし、アーサー王は責任感が強すぎ、頑固だったのかもしれません。
アーサー王は、王としての立派な心はありましたが、人を想う心、人への思いやりの心を失っていたんじゃないかと思います。真実に生きるのもよいかもしれない。しかし、真実だけなら機械にだってできる。人とは真実に生きるだけじゃなく、心で生きているんだ。人間としての心が先で真実が後の場合もあるんだ。
「私は人として暮らすより、国のために生きてきた。円卓の騎士たちと共に黄金時代を築くためだった」
「妻よ許してほしい」
「いつの日か、私がただの人間として暮らせる日が来たら、そなたと再び手を取り合って、夫婦であることを確かめ合いたい。それが私の夢だ」
僕も社会に出て、会社の方針や職場の役割の中で責任が生じ、目指すべき目標に向かって働いています。アーサー王のように押さえてしまっている心、忘れてしまっている心はないだろうか、本来あるべき姿は何だろうか、を改めて振り返ってみてみようと思います。
「一度は成功したのだから、また栄える日もあろう。過去の栄光と未来の夢のために私は再び戦うぞ」 by Arthur
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