イギリスの歴史を変えたノルマンコンクエスト(ノルマン征服)はどんな戦いだったのか?

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f:id:t-akr125:20161204125616p:plain(17.8.12更新)

こんにちは。ウェールズ歴史研究家、たなかあきらです。
今回は1066年に現在のイギリスで起き、その後のイギリスの歴史を大きく変えてしまった歴史的な戦い、ヘイスティングスの戦いについてお話し致します。 

・ノルマンコンクエストとは?
・ヘイスティングスの戦いはどんな戦いだったのか?
・ヘイスティングスの戦いの再現イベントとは?

についてよく分かると思います。

ノルマンコンクエスト(ノルマン征服)、ヘイスティングスの戦いとは?

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ヘイスティングスの戦い、って知ってますか? 
ヘイスティングスの戦いとは、1066年10月にフランスから攻めて来たノルマンディー公ギョーム2世と、イングランド王ハロルド2世との間で起きた戦いだ。

 

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イギリスと、フランスの戦い・・・原因は何だったんですか?

 

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ちょっとこの時代は状況が複雑なんだ。イングランド王のエドワード懺悔王が亡くなると、エドワードの義兄ハロルド2世がイングランド王になったんだ。

しかし、ノルマンディー公ギョーム二世は、エドワード懺悔王と「次のイングランド王は自分になると約束したはずだ」、と主張したんだ。そして、イングランドに軍を率いて乗り込んできた、ってわけだ。

 

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それで、戦いはどちらが勝ったのですか?

 

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ノルマンディー公ギョーム2世が勝利し、ウィリアム1世としてイングランド王になったんだ。

ノルマンディーに住む人々はノルマン人と呼ばれ、そのノルマン人がイングランドを征服したんだ。このため、ノルマンコンクエスト(ノルマン征服)と呼ばれ、ウィリアム1世も、ウィリアム征服王と呼ばれているんだ。

 

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それは歴史を大きく動かした大きな戦いで、当時はまさに世の中がひっくり返ったんでしょうね。

 

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それは、そうだろうな。イングランドは、ヴァイキングに攻められて領土を奪われ、イングランド王の座もヴァイキングのデーン人に奪われたこともあったんだ(1013-14年、1016年‐1042年。この時は条約によって決められた)。

しかし、戦いで大敗して征服され王位まで奪われたのは初めてのことで、大きな混乱があったと思うよ。

ウィリアム1世が作ったイングランド王室はノルマン朝と呼ばれ、その後も血筋は受け継がれ、現在のイギリス王室に至っているんだよ。

イングランド君主一覧 – Wikipedia

イングランドの歴史 アングロ・サクソン七王国の概要

 

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ギョーム二世とハロルド二世が戦った、ヘイスティングスの戦いの再現が、毎年イングランドでイベント開催されており、2016年は950年の記念行事となったんだ。

 

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そんな昔の戦いの再現が、今も行われているって、凄いですね。とっても面白そうです。日本の関ヶ原の戦いの再現をしている感じですね。ヘイスティングスの戦いの再現の様子を教えてください!

参考:関ケ原町のイベント情報[関ケ原歳時記]

 

ヘイスティングスの戦場までのハロルド王の移動を再現

 

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950年前にイングランド王ハロルドが、ヨークからサセックスにある戦場まで向かった300マイル(約480km)のルートを、再現隊は20日かけて(1日に約32km)行進したんだ。

 

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1日に32kmも!! 

 

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これがその大よそのルートだよ。

 

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ハロルド二世軍はヨークを出発し、ヘイスティングスまでの950kmを移動した。 

スタート辺りの様子

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BBC Sussex – タイムライン | Facebook

 

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実際のハロルド王は再現よりも速い速度で、何と1日に約48kmも移動したそうだよ。

それもスタンフォードブリッジの戦い(Stamford Bridge)でハーラル3世のノルウェー軍に勝利した直後に、疲弊した状態でギョーム2世が上陸したヘイスティングスに向かったと言うのだから凄い。

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本当にすごいですね。毎日マラソン以上の距離を移動してるんですからね。そんなハロルド王は悪コンディションの中で、侵略者と戦ったんですね。敗れたのも無理はないかも。

 

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戦いの後で疲れているのに、さらに移動させて戦う前に疲労困ぱいにさせる。それをギョーム二世は、狙ったんだと思うな。

ハロルド王がリンカンに入る

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https://www.facebook.com/VisitLincoln/videos/1390715874289063/

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静かな街の中を住民の方も一緒に歩き、街中も中世の雰囲気もして、のどかで良いですね。

 

道中〜ゴール付近の様子

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BBC Radio Kent – タイムライン | Facebook
BBC England – タイムライン | Facebook

 

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戦場に近づくにつれて行列に参加する人も増え盛り上がり、見ていても緊張感やワクワク感が伝わってきますね。行程は長いですが、イギリスの文化や風景を楽しみながら参加してみたいですね。

 

ヘイスティングスの戦いを再現

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1000人以上もの戦士たちが、ヘイスティングスの近くにある、センラックヒルで戦いの再現をしました。鎧や兜を身につけ盾を持ち馬に跨り、刀がぶつかり合い、矢が飛び交い、土鉾が振り回され、本当の戦場の様な臨場感です。

 

youtu.be

  

ヘイスティングスの戦いの状況説明

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戦いの再現の様子を写真と共に説明しましょう。

1066年10月14日、ハロルド王が率いる約7,000人のイングランド軍と、ギョーム2世が率いる約6,000人ノルマン軍はセンラックヒルで相対しました。

9:00am頃、ノルマン軍は最初の攻撃を仕掛けました。弓矢を浴びせ、次に歩兵で攻め立てたのです。

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これに対し、イングランド軍は丘の上から投げ槍と石で応戦しました。両軍一進一退の攻防が続き昼頃にはこう着状態になりました。

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そこでギョーム2世は騎兵隊を送りましたが、左脇腹を負傷し退却し始めました。これを見たイングランド軍は、ギョーム2世は戦死したと言う噂に扇動され、陣形を崩して退却するノルマン軍を追跡したのです。

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しかし、ギョーム2世は戦死しておらず、兜を脱いで自軍に健在をアピールしました。
これを見たノルマン軍は士気が上がり、即座に騎兵隊は陣形を崩しているイングランド軍に襲いかかりました。

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ギョーム2世は退却を装ってイングランド軍の陣形を崩させて追跡してくるイングランド軍を切り離そうとした罠であった、と言われています。

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ハロルド王の兄弟GyrthとLeofwineは戦死し、その直後にハロルド王自身も命を失いました。伝説によると、飛んで来た矢によって左目を撃ち抜かれたと言われています。イングランド軍は勇敢に戦いましたが大将を失って士気が下がり、ノルマン軍に敗北しました。

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こうして、1066年10月14日にイングランドはフランスからからやって来たノルマン軍に一瞬のうちに征服されてしまったのです。

参考:Vikings – Norman Descendants – タイムライン | Facebook

 

最後に

 

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今回は中継を通してもヘイスティングスの戦いの再現を見て、当時のヨーロッパはこう言う戦いだったのか、と興味津々に楽しめました。

色々動画を見ていると、イングランド軍(アングロサクソン)は今回のイベントでは、ノルマン軍に勝てる、と言っているところが面白いし彼らの誇りを感じました。 

ヨークからスタートし戦いの終結までのストーリーを振り返ると、イギリスの人々のこの戦いへの思いがとても強いのだなあ、と感じました。イベントはスタートから3週間にも及び、8,000もの人々が参加しました。

ヘイスティングスの戦いは当時のイングランドをひっくり返しその後も大きな影響を及ぼした、歴史を変えた大事件です。950年経った今でも保存し再現されているのは凄いと思い、この先も後世に残して欲しいと思いました。

この記事を読んでイギリスの歴史や文化に触れ楽しんでいただけたのなら幸いです。

 

参考記事:Watch: Battle of Hastings 2016 re-enactment

Battle of Hastings re-enacted by 1,000 soldiers for 950th anniversary | Culture | The Guardian

 

おススメ記事:

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最後まで読んでくださり有難うございました。

コメント

  1. nezuzyouzi より:

    ヘイスティングスの戦いは、歴史を変えた一戦だったんですね。
    ヘイスティングス戦いの再現をした動画は、映画のワンシーンみたいだと思いました。戦いや合戦シーンをみるのは、楽しいです。
    僕もこのお祭りに参加してみたいです。
    ヘイスティングス戦いの再現をした動画は、本当に昔の時代みたいで驚きました。

  2. t-akr125 より:

    id:nezuzyouziさん、いつもコメントありがとうございます。
    本当に戦いの様子は見事に再現されていますよね。
    戦いを保存し大勢の人が集まって伝承していくことは凄いなあと思いますし、大切だと思います。
    いつか直に観たいなあと思います。

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