皆さん今晩は。ウェールズ歴史研究家を名乗る、たなかあきらです。
各々の円卓の騎士の記事を書いていると、さまざまな騎士同士のつながりが見えてきます。今回の記事は、ランスロットつながりです。
※円卓の騎士一覧:「円卓の騎士」の一覧と「円卓の騎士」になる条件
ランスロットの弟、エクター卿
「そういえば、円卓の騎士、ランスロット卿には弟がいるんですね」
「同じく円卓の騎士、エクター・ド・マリス卿だね。生い立ちは違うけど、ランスロット卿の弟だけに、血は争えないなあ~、と思うね」
「生い立ちはどう違うんですか?」
「ランスロットとエクターは腹違いの兄弟なんだ。ランスロットは父のバン王のちゃんとした正妻から生まれたけど、エクター・ド・マリス卿はそうじゃないんだ」
「バン王はマーリンと一緒に、アグラヴァダイン王の所に訪れたんだ。その際に、マーリンが魔法をかけて、バン王はアグラヴァダイン王の娘、ダムセル姫と寝たんだ。その時にできた子供が、エクター・ド・マリス卿なんだ。ランスロット卿は、父の死後は湖の乙女に育てられ、エクター卿はアグラヴァダイン王の所で育ったんだ。生い立ちは違うとはいえ、二人とも円卓の騎士になったんだよ」
「この辺から二人は接近して似てくるんですね」
「そうだな、聖杯探索について話そう。聖杯を見ることが出来るのは、童貞だけらしいんだ。ランスロット卿はグウィネヴィア王妃との不倫があったんで、聖杯を前にして気絶したんだ」
「 エクター卿は聖杯探索の旅にガウェイン卿らと共に出て、聖杯が発見されたカルボニックにたどり着いたものの、エクター卿は聖杯を見ることは出来なかったんだ」
「ということは、エクター卿も女性問題があったんですか?」
「やはり血は争えないのかな。ランスロット卿は王妃だけでなく、エレイン姫などとも関係があり、エクター卿も色々あるんだよ。エクター卿の女性関係も、とても有名だったらしいよ。ナローボーダーランドのパース姫を奪おうとフィアンセを殺して、長い付き合いをしたという情事があるんだ。その後、いとこのロエストック姫と情事をおこし、またパース姫とよりを戻したりしたそうだよ」
「この女性関係のおかげで、二人とも聖杯探索では、活躍できなかったんだ」
「そして、マリス卿はランスロット卿と行動を共にするようになるんだ」
「ランスロット卿はグウィネヴィア王妃との不倫が明るみなり、グウィネヴィア王妃が火あぶりの刑になったとき、エクターは王妃を助けるために戦ったし、ランスロット卿が追放された時、一緒に大陸に渡ったんだ。アーサー王と戦いになったときも、エクター卿はランスロット側について、アーサー王と戦ったんだ」
「ランスロット卿についた騎士たちを見ると、エクター卿を始めランスロットの兄弟、従兄弟たちばかりですね」
※ランスロットの従兄弟たち:
「アーサー王とモルドレッド卿が相討ちとなったカムランで戦いの後、エクター卿は、他の従兄弟たちと同じように、行方不明になったランスロット卿を探し回るんだ。エクター卿はイングランドやウェールズを7年間探し回り、ようやく場所を突き止めたときには、すでにランスロット卿は死亡して葬儀を行っていたんだ。エクター卿は悲嘆し気を失って倒れたてしまったんだよ」
最後に
「生い立ちは異なるものの、ランスロット卿の行動を共にし、似ている点が多かったと考えられます。このためだろうか。ランスロット卿は弟のエクター卿よりも従兄弟のボールス卿に信頼を置いたのかもしれませんね」
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最後まで読んでくださり有難うございました。
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