(20.8.26更新)
こんにちは、たなかあきらです。
中世ヨーロッパの人々は、どんな余暇の過ごし方をしていたのでしょうか?
中世の余暇は、身分階級によって異なっていましたが、狩り、鷹狩り、ゲーム、各種スポーツ、馬上槍試合、レスリングなどが中世の一般的な余暇の活動でした。
今回は、中世の人々の屋外での余暇の過ごし方(スポーツ)、屋内での余暇の過ごし方(ゲーム)について、人気があったものをご紹介いたします。
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野外での娯楽、中世のスポーツ
中世ヨーロッパで行われてたスポーツは、現在では行われていないものもありますが、現在のスポーツのもととなっているものや、同じように行われているものもあります。
馬上槍試合(Jousting)
馬上槍試合は、とても人気があり、中世ヨーロッパのすべての国々で広く行われていました。
騎士たちは、トレーニングを積んで技を磨き、トーナメントに参加してお互い、実戦さながらの戦いを行いました。
馬上槍試合は、領主や皇帝だけでなく、一般大衆にとってのエンターテイメントでした。
この馬上槍試合は、古代のグラディエーター(ローマ帝国での見世物の戦闘)が進化したもので、適切な行いにより、血を流すことは大きく減りました。
騎士は槍を与えられ、馬に乗って相対した。相手の槍を壊したり、相手を馬から落としたりすると勝ちになりました。
馬上槍試合は、中世の伝統的なもので、トーナメント方式で個人戦や団体戦が行われました。勝利したものが相手の武具などを得たり、時には相手を捕虜にすることもありました。(領主や貴族で、軍隊を用いない戦闘対決)
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レスリング(Wrestling)
中世においてレスリングなどの格闘技はとても人気がありました。ドイツではRingen(リンゲン)と呼ばれる武装しない戦闘もありました。
これら格闘技を楽しむのは、領主は君主たちでした。中世の終わりごろには、多くの学校がヨーロッパの格闘技を教えており、進化していきました。
中世のレスリングは賭けをして行われていました。
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アーチェリー
中世の人々の間で、アーチェリーの試合も特に人気がありました。
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ゲームボール(Gameball)
ゲームボールはフットボールの事で、現在のラグビーやサッカーのルーツです。
中世ではルールなしで大勢でボールを奪い合う、かなり激しいスポーツでした。(モブフットボールなどと呼ばれました)
👉モブフットボールの歴史
ボウルズ(Bowls)
ボウルズはボウルと呼ばれる偏心球を、目標球のどれだけそばに近づけられるかを競う球技です。
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コルフ(Colf)
北欧起源の「コルフ」という、「打った球を柱に当てるスポーツ」が、スコットランドに伝わったと言われており、ゴルフの起源とされています。
貴族の人々に人気があり、プレーヤーはターゲットを置いて、クラブとボールでターゲットを打つという内容でした。
ハンマー投げ
ハンマー投げは現在も行われています。
現在の方がずっと安全で、人に当たらないように囲いの中で投げますが、中世はボールを早く放し過ぎて観客の中に突っ込んで、けが人が出るなどしたようです。
ハーリング(Hurling)
ハーリングはケルトに起源をもち、スティックとボールを使用して行う屋外スポーツです。
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ホースシューズ(Horseshoes)
ホーシューズはU字型の蹄鉄を投げて、杭に引っかかる事を競うゲームです。
クウォータースタッフ(Quarter-staff )
クウォータースタッフとは、堅い木でできた1.83 ~2.75 m程度の ヨーロッパの伝統的なポールの武器で、中世近世イングランドで盛んでした。
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スキットルズ(Skittles)
木製の円盤または球を投げて 9 本のピンを倒すゲームで、現在のボーリングに似ています。
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ストールボール(Stoolball)
ストールボールは、1450年頃イングランド南部のサセックスで生まれたスポーツでクリケットの原形と言われています。
(野球、ラウンドのもとになるかもしれません)実際にはスツールボールは「空気中のクリケット」とも呼ばれています。
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ハンティング(Hunting)
ハンティングは騎士にとって、
騎士や貴族たちのハンティングは通常馬に乗って行われ、狩猟犬が獲物を追うアシストをしました。
ハンティングは、余暇の目的でも行われ、より激しく若者中心で狂暴な動物を獲物とする「Force Hunting」や、激しくなく馬に乗って矢を射る「Bow and Stable Huntin」のタイプがありました。
一方、農民たちや貧困層にとってのハンティングは、
森林は通常、領主が所有しており、森林でのハンティングは領主か家来によっ厳しく禁じられており、ハンティングは公共の地面だけに限られていました。
もしルールを破ると死罪など厳しい刑罰を受けました。
鷹狩り(Falcony)
鷹狩りは他のタイプのハンティングで、中世では主に領主や貴族が楽しみました。
鷹狩りは、鷹が小さな動物や鳥を捕まえれるように、鷹匠がトレーニングをする必要があり、鷹匠は若い鷹を巣から取ってきて、人間とコンタクトが出来るように、鷹をトレーニングする役を担っていました。
鷹は、鷹匠の命令を聞いて、獲物を上空から捕まえ、鷹匠のところに戻れる能力を身につけていなければなりませんでした。
鷹はこれらのトレーニングをしたり、特別な籠に買う必要があったので、とてもコストがかかり、農民や一般市民にとってはそのお金を支払う余裕は全くありませんでした。
中世のゲーム(室内)
中世の時代、上流階級、下流階級、大人子供にも、ゲームはとても人気がありました。
様々なタイプのゲームがあり、カードゲーム、ボードゲーム、さいころゲームなどが行われていました。
以下は、中世に行われていたボードゲームになります。
チェス(Chess)
代表的なボードゲームはチェスです。古代インドの戦争ゲーム、チャトランガが起源であると言われ、西方に広まったのがチェス、東方に広がったのが将棋とされます。
テーブルズ(Tabels)
世界最古のボードゲームと言われており、バックギャモン(Backgammon)がテーブルズの中の代表的なゲームで、2人で遊び盤上に配置された双方の15個の駒をどりらが先にすべてゴールできるか競います。
バックギャモンもローマ時代から約5000年の歴史があり、日本にもバックギャモン協会があります。
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ナイン・メンズ・モリス(Nine Men’s Morris)
四角を組み合わせたような幾何学的な線が描かれたボードを使用する、ローマ帝国時代に生まれた2人用の戦略ゲームです。(古代エジプトという説もある)
ナインメンズモリス | 世界の伝統ゲーム紹介 | 世界遊戯博物館
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アルカケス(Alquerques)
中東が発祥とされる戦略ボードゲーム。チェッカーの元となるゲームです。
※チェッカーとは、色違いの丸い駒を使用し相手の駒を取り合うゲーム
キツネとガチョウ(Fox & Geese)
中世の北欧を起源とするボードゲームで、中世のヨーロッパで流行し、8世紀から9世紀頃においてはヴァイキングたちが使用していた盤も発見されています。
哲学者のゲーム(The Philosophers Game)
数の戦略ゲームで「Rithmomachy」がその一種です。
Rithmomachy(数字の戦い)は、初期のヨーロッパの数学的ボードゲームです(11世紀ごろ)。このゲームはチェスによく似ていますが非常に複雑のようです。
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ショベルボード(Shovelboard)
ショベルボードを起源とするゲームがシャッフルボードで(Shullfeboard)、細長いコートの上でディスク(円盤)を押し出し、「ダイアグラム」と呼ばれる得点盤上に到達させてその得点を競うゲームです。
※いろいろなタイプがあります
・盤上で手で円盤を移動:How to Play Shuffleboard: Scoring a Knock Off – YouTube
・地面で道具で円盤を移動:How to Play Shuffleboard – YouTube
ナックルボン(Knucklebones)
ジャックスとも呼ばれ、古代のギリシャで生まれたのおはじき様なゲームで、通常5つの小さなオブジェクトでプレイされます。
もともとは、「ナックルボン」は羊のものでしたが、投げられて様々な方法で捕らえられました。
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ハザード(Hazard )
二つのさいころを使うバクチであるクラップスの起源となるゲームです。
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参考文献:
・Entertainment in the Middle Ages
・Medieval Period: Leisure and entertainment
・Activities in the Middle Ages | Middle Ages
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