こんばんは。ウェールズ歴史研究家、たなかあきらです。
創作ウェールズの歴史ストーリー、新たたかうカムリ戦士は毎週月曜日に公開しております。先週の内容は、ウェールズに攻めてくるヴァイキングを追い払うためにエイニオンがモーガン王に愛国心の名のもと協力を申し出て、両軍合流して戦いを始めた、という内容でした。
このエイニオンの協力は、ウェールズの愛国心からのものなのか、それとも陰謀が隠されているのでしょうか? というわけで第4話をお楽しみください。
※先週の第3話
援軍か陰謀か
「何、何事がおきたんじゃ。城が取り囲まれている? ヴァイキングの襲来か!」
「はっ、父上。我が軍とデハイバース軍の旗が見えます。足早に我々を助けに来てくれたのでしょうか」
「城門がぶち破られ、城に押し入った? 我が軍とデハイバース軍は何をやっておるのじゃ。何が起きているんじゃ・・・」
<行けっ、城を占拠しろ!>
<モーガン王を探して捕らえろ!>
エイニオン率いるデハイバース軍は情報撹乱させ、モーガン軍を携えてヴァイキングではなく、モーガン王のいるゴーワー城を攻めたのであった。
<モルガン王が、いたぞ!>
<よし、生け捕りだ!>
「これはこれはモーガン殿、またお会いしましたね」
「わしらの弱みにつけ込み、罠にはめよったな、エイニオン!」
「モーガン王、散々これまで我が軍を手こずらせてくれましたね。父オウァイン王も、しびれを切らせていたんですよ」
「ウェールズ魂を合言葉に協力をすると見せかけて、ワシらを騙すとは卑怯だぞ」
「騙すとは人聞きの悪い。ウェールズの平和の為には、統一という作業が必要なんですよ。それに抵抗するのが、あなたモーガン殿なんですよ。我々はウェールズの平和の為に仕方なく、武力を使ってモーガン殿にお願いしているのです。さっ、降伏して我が傘下に入りなさい」
「ウェールズ平和の為だなんて、真っ平な嘘八百だ。己が欲の塊じゃないか。わしゃ、降伏などせぬぞ」
「いいんですか、そんな事言って。後で後悔しますよ」
「おい、者ども、モーガン王達を地下牢に打ち込んで、監視しろ」
「モルガン殿、残念だが、こうするしかないですね。処罰は、父オウァイン王と決めて、後日執行しますよ。ふふふっ」
「ま、まてっ!」
「くそっ、覚えておれ! お主こそ、きっと後悔することになるぞ」
967年、こうしてモーガン王が治めるモーガンウィグの一部、ゴーワーがエイニオンの手に落ちたのであった。しかし、モーガン王の最後の言葉が、将来大きな意味を含んでいることになるのであった。
ウェールズ西部、デハイバース国。
「親父やりましたよ! ついにモーガン軍に勝ってモーガン王を捕らえてやりました!」
「おぉ、おぉ、とうとうモーガン王の鼻をへし折ってやったか。モーガン王の顔を見てやりたかったな。相当手こずったが、ご苦労であったエイニオン。お前もなかなかやるな、立派になったものだ。今後は、デハイバース軍の指揮は全てお前に任せる。ワシの後継もお前だ」
「ありがとうございます。身に余る光栄です。さらにモルガンウィグをぶっ潰し、我がデハイバース国の領土を広げて、親父にプレゼント致します」
「ほう、それは頼もしい。エイニオン、頼んだぞ」
「はぁ~っ。なんか、父上と兄上を見ていたら、悪者に見えてきた。僕、嫌だなあ。モーガン王には息子がいるし、北の国グウィネズのイアゴ王もいる。どっちも黙ってないと思うんだけどなあ。もっと友達になればいいのに。父上も兄上も、後で後悔しなきゃいいけど、、、」
「アニキい〜、また新し〜い情報だよ〜ん。デハイバースのさぁ、息子のエイニオンがさぁ、モーガンウィグをまた攻めたらしぃよ〜」
「また奴ら、コリもせずに攻めたのか。それで、今回はどうなんだ?勝ったのか、引き分けたのか?それとも、モーガンが勝ったとか?」
「モーガン王は勝たないよぉ。モーガン王は負けて、捕まったのさぁ」
「何っ、ついにオウァインとエイニオンが勝ったのか。じゃ、勢いにのって今度は我がグウィネズを攻めてくるのか? こうしちゃいられない。軍を集めて備えなければ。攻めてくる前なら、こちらから先に先手攻撃だ。イエウヴ、直ぐに出征だ!」
「アニキは、せっかち過ぎるよぉ。も〜っと、のんびりと行こうよ。奴らもさぁ、戦ったばかりだからさぁ、そんなに早く動けないよ」
「じゃ、どうするんだ。じれったい!😠」
「圧力をかけておくんですよぉ〜。また、昔みたいなにねぇ、文句言うとねぇ、ぶっ潰しちゃうぞってねぇ。僕ら脅しは得意じぁあないですかぁ〜?」
「得意だけど、どうやるんだ!!」
「僕の顔を使うんですよぉ。僕はかわいい顔と思うんですけどねぇ〜、、、みんな、怖い怖いって、ビビるじゃあないですかぁ〜。今度ぉ、デハイバース国に行ってぇ、オウァイン王とエイニオンと、お話しするんですよぉ」
「その頭と、その顔か。うぷぷぷっ」
「何か可笑しいんですかぁ?」
「いや、結構、結構。分かったよ。まずはデハイバースに脅しをかけ、奴らを牽制しに行こう」
次回に続く。
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最後まで読んでくださり有難うございました。
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