こんばんは。
浮気草、あなたは使ってみたいですか?
こんなにあの人が好きなのに、こんなにいつも恋い焦がれているのに、あなたは1度だって私の方を振り向いてくれた事がない、あなたは1度だって私に優しい眼差しをかけてくれたことがない。
ワインに恋媚薬をコッソリ入れて、あの人に飲ませようかしら。あの人が居眠りをしている間に忍び寄って、薬草を煎じた恋媚薬を、まぶたにそ〜っと塗っておこうかしら.。あの人が眠りから覚めて、私を見たのなら、バラ色の世界。
ああ、これは魔法使いの世界、妖精の世界。一瞬でもいいから、恋がかなう夢の世界に行ってみたい。
画像:ウィキペディアより
昔々あるところに、1組の若いカップルがいました。父親から反対され、2人は駆け落ち同然で、町を出ました。夜も更け、落ち合った森で、2人は眠りにつきます。
若いカップルの近くには、もう一組の若い男女がいました。女性は男性に恋い焦がれていましたが、男性はその女性に振り向きもせず、駆け落ちした女性の事を想っていました。
女:「あなたの心臓は磁石なのだもの。このあたしの心臓は鋼のように変わらない忠実な愛情なのですもの」
男:「いつ僕が君の気をひいたって言うんだ?」
女:「そう、だから、あなたをいっそう好きになるの」
ああ、もし世の中に妖精がいるのなら、恋媚薬があるのなら。私は妖精に恋媚薬をもらって、あなたのまぶたに塗りたい、そう強く願うかも知れない。
この2組の男女の関係について、一部始終を知っている妖精が現れました。
「薬草で作った浮気草という名の恋媚薬、どの様に塗ろうかな?」
この妖精は悪戯が好きなようです。
・駆け落ちしたカップルに塗り、お互いの愛がより強固になって、どんな事が起きてもはねのける様に仕向けるのでしょうか。
・女性が片想いの後の男女に塗り、駆け落ちした女性に想いを寄せる男性の気持ちを後の女性に向けさせ、それぞれの男女がうまくカップルになり皆ハッピーになる様に仕組むのでしょうか。
・それとも、カップルが逆になるとか、四角関係が深まる様に意地悪をして、泥沼化する状況を楽しむように小細工をするのでしょうか。
それとも自分に塗っちゃう??
平穏なラブストーリになるのか、ドタバタな喜劇になるのか、いや悲劇的な争いが待ち受けているのか、妖精が誰に浮気草で作った惚れ薬を塗るのかにかかっています。
世の中、思った通りに進むことは、なかなかありません。予想しなかった事が起こるなんて、日常茶飯事です。
この先、ストーリーはどうなるのでしょうか。
答えは、ウィリアム・シェイクスピア作、「夏の夜の夢」をご覧ください。ちょいと夏の夜のうたたねに垣間みた、夢にも等しき物語を楽しめる事でしょう。
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最後まで読んでくださり有難うございました。
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