ヘンリー8世やエリザベス1世など、テューダー朝の君主たちは、とても個性が強くインパクトがあります。
今回は、テューダー朝の君主、ヘンリー8世、エリザベス1世、エドワード6世、メアリー1世、更にテューダー朝を始めたヘンリー7世の人物像と性格を紹介して、共通点を見てみました。
●総じて、外見も魅力的で、賢く多才で教養も深いですが、自己中心的で貪欲で残忍な面も見られるようです。
👉おススメ記事です
・テューダー家の歴史 起源〜テューダー朝の始まりまで
・テューダー家の歴史 6代続いたテューダー朝の概要
- テューダー朝の家系図
- 初代:疑い深いヘンリー7世
- 二代目:悪王と言われたヘンリー8世
- 三代目:幼くして亡くなったエドワード6世の性格
- 五代目:ブラディーなメアリー1世
- 六代目:処女王と呼ばれたエリザベス1世
テューダー朝の家系図
テューダー朝の家系図を書いてみましsた。
1:ヘンリー7世
2:ヘンリー8世
3:エドワード6世
4:ジェーン・グレイ(9日間)
5:メアリー1世
6:エリザベス1世
ジェーン・グレイは直系ではなく、ヘンリー7世の娘メアリーの娘フランセスの娘と母系の血でつながっており、美しく賢い点は共通ですが、他の君主たちとは異なり目立たず大人しい性格だったようです。
今回は、ジェーン・グレイを除く、ヘンリー7世の直系の君主の性格に焦点を当てました。
👉ジェーン・グレイに関する記事
初代:疑い深いヘンリー7世
ハンサムで聡明・冷静な性格
ヘンリー7世は細身でしたが、 平均よりも身長は高くがっしりとして力強い体格でした。 外見はとてもハンサムで魅力的であり、 話すときは特に明るい表情でした。
小さく青い目で、 歯は小さく少なく黒っぽい色でした。髪の毛は補足薄い色で、 顔色は黄ばんでいました。
ヘンリー7世は、スポーツや祝典や、 音楽などに活動的でした。ヘンリー7世は息子ヘンリー8世と同じ く、一般的な王と同じように、狩りにも没頭していました。
ヘンリー7世は、高貴で威厳があり、賢明で用心深く、 勇敢で決意が固くたとえ大きな危険や困難が迫っても、 決してひるむことはありませんでした。
また記憶力も優れており、 学識もあり判断が正確で思慮深く、だれもがヘンリー7世をだまし たり陥れたり、しようと考えませんでした。
自制心が強く、最も静かな精神を持っている人物であることは明らかだ、 と書かれています。
ヘンリー7世のような父親がいれば、学校は必要なくなるだろう、 と言われるほど、ヘンリー7世は賢く、すべてにおいて良く気が利いており、 注意力がすべてに行き届いていました。
ダークサイドで評判の悪い性格
ヘンリー7世はとても行動的でしたが、ヘンリー7世の評判は、 あまり良いものではありませんでした。
心配事や不安事や将来の浮き沈みに対して外見上は変化を見せず、 静けさと沈黙は印象的ではありました。
しかし、とても注意深く疑い深すぎる性格で、周りの人には堅苦しく退屈感を与 えていました。
また、とてもギャンブル好きで、サイコロ、テニス、弓などの賭けでお金を費やし、 金銭的にはとても貪欲で人に対して強迫的でした。
ダークサイドの性格が強かったため、子供のころから「黒王子(Dar k Prince」と呼ばれていました。
ヘンリー7世の王位は、 異論を唱えるものおらず政府も強固なものでしたが、ヘンリー7世は嫌われていました。
👉ヘンリー7世に関する記事
ヘンリー7世がアーサー王を利用して薔薇戦争を制した方法とは?
二代目:悪王と言われたヘンリー8世
ハンサムで教養、大柄でスポーツ万能
ヘンリー8世は色白で赤褐色の髪の毛を持ち、 とてもハンサムで約182cmほどの背の高い人物でした。
ヘンリー8世はとても教養があり、優れた身体能力を持っていました。 年を取るごとに体重は増えていきましたが、 その頃を除くと若々しく見えていました。
50歳を超えるころには、自分で馬に乗れず、ウェストは約140 センチもありました。
ヘンリー8世は、馬上騎馬試合、テニス、狩など王室の娯楽や、カードやサイコロなどの賭けを好みました。
また、とても多才で芸術にも精通し、音楽家としては、リュート、オルガンを弾き、歌い、作曲家でもありました。
残忍で非情な性格
皆と遊ぶ陽気な君主としての一面を持っていましたが、別人のような性格も持っていました。
手段を選ばすどんな犠牲を払っても、自分の決めたことや欲望に対しては頑固にまで貪欲で、残忍で非情な性格でした。
👉ヘンリー8世に関する記事
イングランド王 ヘンリー8世 6人の妻たちへの悪事と功績や教養あふれる魅力
三代目:幼くして亡くなったエドワード6世の性格
ひ弱ではなく高い知性と教養
エドワード6世はヘンリー8世の唯一の息子で、若干9歳の時に イングランド王となりました(15歳まで統治)
エドワード6世は、15歳で早世したため、 ひ弱で不健康な少年と一般的には考えられていますが、実際はとても健康的でがっしりとし、運動も得意でした。
また、 他のテューダー朝の君主と同じく知性や教養は高く、ギリシャ語、 ラテン語、フランス語、神学、音楽に興味を持っていました。
冷淡で傲慢でギャンブル好き
エドワード6世の性格や外見は魅力的ではなく、 将来も有望ではなかったようです(他のテューダー朝の君主とは異なる)。
エドワード6世は自己中心的 で思いやりの欠けた冷淡な心の持ち主で、 他のテューダー朝の君主と同じく傲慢で横柄な性格でした。
エドワード6世は政治には興味を示さず摂政に任せきりとなり、 テニス、バックギャモン、チェス、カード、 武術に励んでいました。
また、とてもギャンブル好きで、家庭教師のロジャー・アーカム( Roger Ascham)が何度も厳しく叱り禁止するまで、ギャンブルに興じました。
👉エドワード6世に関する記事
五代目:ブラディーなメアリー1世
少女時代のメアリーは勉強好きで賢いだけでなく、非常に美しく魅力的であり、うわさは他国にも伝わっていたといいます。
メアリーは質素でしたが、コントラルト(女性で最低の音域)の美しい声で歌い、人気の高い人物でした。
メアリーは、ヘンリー8世に似て、押しが強く、無愛想で、誠実、豪快な性格でした。ヘンリー8世に強要されても、自分の意見を貫き通すほど、とても頑固な性格でもありました。
残忍・残虐な行為は嫌っていましたが、反乱を起こしたプロテスタントに対しては残忍な処罰を行い、ブラディー・メアリーと呼ばれるようになりました。
👉メアリー1世に関する記事
ブラディー・メアリーと呼ばれたメアリー1世の波乱人生
六代目:処女王と呼ばれたエリザベス1世
ヘンリー8世に似た容姿
エリザベス1世は姿勢がまっすぐで、とても青白い肌をしており、 肖像画によると目は茶色か金茶色でした。誰に対しても我が強いヘンリー8世に似た、わし鼻と赤い金髪をしていました。
エリザベス1世は、彼女の生きた時代を考えても、 とても賢く機知に富み、教養のある女性でした。ラテン語、フランス語、ドイツ語、ヘブライ語、ギリシャ語、 英語、スペイン語を話し、算数、哲学、神学、 美辞学など様々な学問を勉強しました。
嫉妬深く短気な性格
エリザベス1世は耳をつんざくような高い声で、 短気で怒りっぽくかっとする気質でした。
・女性に対して強い嫉妬心を持ち、 殆ど女性の使用人はおらず男性ばかりでした
・優柔不断で抽象的な表現が多い。優柔不断は、 核心に触れず相手を煙に巻く、外交術をとったためとも言われる。
・仲良くせず仲悪くせずが外交や人間関係の秘訣
👉エリザベス1世に関する記事
エリザベス女王1世の功績と結婚・恋愛話
👉おススメ記事です
・テューダー家の歴史 起源〜テューダー朝の始まりまで
・テューダー家の歴史 6代続いたテューダー朝の概要
- 作者:水井 万里子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2011/05/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
物語 イギリスの歴史(上) 古代ブリテン島からエリザベス1世まで (中公新書)
- 作者:君塚直隆
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2019/08/09
- メディア: Kindle版
チューダーズ <ヘンリー8世 背徳の王冠> DVD-BOX Ⅳ
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2011/12/02
- メディア: DVD
コメント