皆さんこんばんは。ウェールズ歴史研究家を名乗る、たなかあきらです。
ざざざざざーーーーーー
激しい水の流れ
「ざーーーーーーーーーー ざーーーーーーーーーー」
止めどなく流れ落ちる水
止めどなく届いてくる音
その巨大な景色に僕は釘付けになる
僕は上を見上げる
あの水はどこからやってくるのだろう
とまることはないだろうか
何のパワーが働いて、こんなにたくさんの水を落とす駆動力を発しているのだろう
滝
いつから滝なんだろう?
いつまで滝なんだろう?
じっと見入っていると、時間を忘れてしまう。いや、時が流れていないと錯覚してしまう
何も変わらず永遠に、勢いよく流れ落ちるかのように
でも、季節が変わると、滝も姿を変えますよね。
僕は、時期をずらして同じ滝に2度訪れ、本当に同じ滝だろうか? と思った美しい滝に出会ったことがありました。
がっかり冬の滝
ウェールズ南部にある、「ブレコン・ビーコンズ国立公園」にある滝でした。
最初に、この滝を訪れたのは冬でした。はっきりいって、その時は行ったことを少々後悔しました。
ウェールズの冬は寒い。カチコチに凍てつくほどではないですが、日がほとんど登らないので、日中も気温が上がってこず、とても寒く感じます。
そのせいか、僕が見たかったような滝は存在していませんでした。
そうです、滝が凍っていたのです。
※手を振る友人
見事に凍った滝、見事なつらら、美しい風景でした。
しかし、僕が期待していたような、胸をすくような、たぎつ、滝は見ることが出来ませんでした。ちょっとがっかりでした。
夏の滝
次に訪れたのは、夏でした。前回のことがあったので、僕は期待せずに行きました。この滝は、ブレコーン・ビーコンズ国立公園の中にあり、周りは素晴らしい風景です。
緑の中のドライブは、とても気持ちの良いものです。
車を降りて、ハイキング気分で森林の中を歩くのも最高でした。
冬の時とまるで違います。
しばらく歩いていると、水の音が聞こえてきました、近づくに連れて音はどんどん大きくなります。
「おっ、滝は近いぞ」
僕らは、音の聞こえる方向に急行しました。
※先頭を走る筆者
階段を降り切ると、そこには3本の滝が、冬とは全く違う風貌で、再び僕と対面しました。こじんまりとした滝ではありましたが、見事な滝でした。
やはり、僕は滝に見とれました。今回の滝は、3本もあります。
滝が流れ落ちる、上から、勢いを増す真ん中、そして滝つぼにおちたり岩にぶつかる瞬間まで、時を忘れて見入っていました。
僕は、ふと辺りを見回したとき、この滝がとても面白い滝であることに気がつきました。冬に凍ってツララができ、夏には3本の滝になる、という事ではありません。
一つ目は、
滑らないように恐る恐る、岩を歩いていくと、滝の裏側に回れることでした。
ちょっと捕らわれてしまったような気分になりますが、滝の表からは、空を飛ばない限り、決して見ることが出来ない水の流れ落ちる様が、裏側からは至近距離でしっかりと堪能することができました。
二つ目は、
滝がまさに落ちる瞬間までも、観察することが出来るのです。つまり滝をも見下ろすことが出来るのです。こちらは、なんだか神にでもなったような気分になりました。
※友人をパシャリ
※落ちる滝
滝=龍
滝は英語でwaterfallと言いますが、それでは十分に滝を表現できないと思います。
滝(瀧)の漢字は、水が龍のように長く太いすじをなして流れるさまを表した文字であるそうです。
このブレコン・ビーコンズで見た滝は、まさに3頭の龍が首を上下に振っている、そんな感じのする滝でした。
ウェールズなので英語でしょうが、漢字の意味を考えながら、僕はずうっと滝を眺めていました。
「ウェールズの国旗は、ドラゴン。ああ、これぞまさにウェールズだなあ」
冬の滝も美しかったですが、少々がっかりでしたが、夏の滝は龍のように力強く、とても堪能することが出来ました。
この滝の名前は何だっただろうか?
何で10年前に見た滝を今、このタイミングで書こうと思ったのか?
名前は覚えていませんし、なぜかよく分かりません。
しかし、この素晴らしい滝の記憶だけは、はっきりと僕の脳裏に焼き付いていました。
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最後まで読んでくださり有難うございました。
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